中村うさぎの人生相談

「好きなこと」と「得意なこと」が違う人は多い。

人生相談のお時間です。
今回は「モピオン」さんのお悩みです。

 

【お名前】
モピオンさん

【都道府県】
埼玉県

【性別】
男性

【年齢】
26歳

【ジャンル】
仕事

【相談内容】
26歳のゲイです。仕事についての相談です。

僕は中学生の頃から車のデザイナーになりたかったので美大に進学し、車のデザインを学ぶコースに進みました。
ですが、その時には車やデザインに対する自分の価値観が気付かぬ間に変わっていて、周りの人と比べるとマニアックな価値観となっていたようです。
世間的にウケが良い物をなかなか素直に良いと思えなくなっていました。

とは言え、デザイナーは企業や顧客のニーズに応える事も大きな役割の一つだと思い、自分の好みはさて置き教授(学校だと教授が顧客の役目だったりします)の顔色を伺いながらウケの良さそうな物を作るも、自分が乗り気で作ったものではないし中途半端でイマイチ。逆に自分が作りたいものを作ってみてもマニアックでウケが悪い、という状態が続きました。

次第に、お金を稼ぐには自分のやりたい事をガマンしないといけない、でもガマンしてまで車のデザイナーをやる事に意味があるのか分からなくなってしまい、悶々としたまま車のデザイナーになる事なく卒業を迎えました。

大学卒業後3年が過ぎ、今は縁あって広告デザイン関係の現場で下働き中です。
車のデザイナーになれなかった事を後悔はしていないのですが、大学時代に悩んだ事を未だに引きずっているのと、今後自分がどうしたいのか等の目標が全く定まらないまま、とりあえず今目の前にある仕事に集中しようとしているところです。
何か目標に向かって集中して働く同年代を見ると、羨ましく思ったり自分が情けないと思ったりします。

仕事や自分自身に過度な期待をしているうちは何をやっても上手くいかないと思うのですが、次のステップへ進むためのアドバイスや、うさぎさんがOLから文筆業へ仕事が変わっていった時のお話など聞かせて頂けたらありがたいです。
よろしくお願いします。

 

【中村うさぎの回答】

私がOLからコピーライターになったのは、コピーライターを夢見ていたからではなく、OLがめちゃくちゃ向いてなかったからです。
ただでさえ数字が苦手なのに、毎日毎日伝票整理でウンザリでした。

で、高校時代の友人に電話で愚痴ってたら、その友人が「あなたは昔から作文とか得意だったんだから、文章書く仕事に就けば?」というアドバイスをくれました。

確かに私は小学生の頃から作文が得意でした。
べつに文章を書くのが好きなわけではなく、単に得意だったのです。
学校の先生がどんなことを書いて欲しいのか、どう書けば感心するのか、ちゃんと心得ているような嫌な子どもでした。

あなたの立場に置き換えれば、「どんな車を作って欲しいのかわかってる」ということです。

 

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このお店の商品はもはや芸術品と言っていいと思う。

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前にも書いたと思うけど、あたしはキャビアが大好き!
そんなあたしが新宿伊勢丹でこんなお店を見つけたの!
キャビアハウス&プルニエ シーフードバー」よ!

キャビアハウス&プルニエ」は、世界に名だたるキャビアの専門店。
1872年に創業してロシアのキャビアをフランスに紹介した「プルニエ」レストランと、1950年にコペンハーゲンで創業してヨーロッパ中にキャビアを広めた「キャビアハウス」の夢のコラボから生まれたキャビアの超高級ブランドなの。

ファッションブランドに例えるなら、キャビア界のシャネルってとこかしら。
このお店がなんと10月7日から約1ヶ月間、伊勢丹の地下食品売り場のイートインで「キャビアブランチ」っていう超豪華な限定メニューを出すって聞いて、キャビア好きのあたしの血が騒いだわ!

これは食べに行かなきゃ絶対後悔するでしょ!

だって期間限定メニューなのよ?

ここで食べそびれたら、一生食べる機会はないかも!

この際、禁煙には目をつぶるわw

ってか、このあたしが禁煙に目をつぶるって、よっぽどよ!

 

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早稲田祭にてマスコミ研究会より依頼をいただき講演会をいたします。

日程:2015年11月7日(土)
開演:15:00(2時間)
場所:早稲田大学15号館101教室
料金:無料!
予約:不要!当日来ていただくだけ!
指定席券の配布も行なっておりますので、事前予約も可能となっております。

【指定席券】
当講演会では、ご希望の方を対象に事前にお席を予約できる指定席券(無料!)を配布いたします。
先着順ですので枚数がなくなり次第指定席券は終了いたしますのでご注意ください。
また、指定席を希望されたお客様限定で中村うさぎさんへの質問の募集も行っています。指定席申し込みの際に質問内容を添えていただければ、当日採用されるかもしれません!
指定席を希望されますお客様は次のメールアドレス宛に以下の4点を入力の上、ご連絡をください。

mailto:massken2015kouenkai@gmail.com

①代表者様のお名前(フルネーム)
②代表者様のメールアドレス
③希望される指定席の枚数
④中村うさぎさんへのご質問をお書きの上ご連絡ください!

④の質問募集に関してましては10月14日(水)を締め切りとさせていただきます。
より近くで中村うさぎさんのお話を聴けるチャンスなのでどしどしご応募ください!

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思春期に多大な影響を与えたという萩尾望都作品について語られています。

本日配信のオフィシャルメールマガジンの1コーナー「うさぎの図書館」では、中村うさぎの思春期に多大な影響を与えたという萩尾望都作品について語られています。

 

萩尾望都は思春期の私に多大な影響を与えた漫画家である。
「ポーの一族」シリーズや「トーマの心臓」「百億の昼と千億の夜(これは原作が光瀬龍)」などなど、夢中で読みふけった作品は数限りないが、ここでは「半神」という短編を取り上げたいと思う。

「半神」は文字どおり体の半分がくっついたシャム双生児(結合双生児)の姉妹の物語である。
片方は美しくて片方は醜い。
が、美しいほうはほとんど白痴であり、醜いほうは賢い。

賢いほうの少女が醜い容姿をしているのは、片割れに栄養分を取られて干からびているからである。
それゆえ賢いほうは美しい片割れを憎み、ほとんど白痴のくせにその美貌ゆえにチヤホヤされる彼女に嫉妬している。

 

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相手に対する距離感は「言葉遣い」だけで決まるものではありません。

人生相談のお時間です。
今回のご相談者は30代後半の男性「ジョージア」さんです。

 

【お名前】
ジョージアさん

【都道府県】
東京都

【性別】
男性

【年齢】
38歳

【ジャンル】
人間関係

【相談内容】
敬語とタメ口について相談があります。
最近、対人下手を克服すべく、オフ会のような場に顔出して色々な人と会うようにしてます。(みんな初対面で年齢以外に上下関係はない)
でも、特に年下と話すとき、敬語とタメ口の使い分けがよくわからなくなり、話すのが苦痛です。
以前は特に気にすることなく使い分けてたのですが、対人恐怖が進んでから分からなくなってきました。

年上と話すときは原則的に敬語で話せばいいのでさほど気になりません。
(まぁ、あまり敬語ばかりだと舐められて不快になることもたまにありますが)
問題は、年下と話すときです。
以下のように悶々としてしまいます。

「こっちが年上なんだから少しタメ口混じりの方がいいだろうか」
「でも会社の部下でもないのに、上から目線はエラそーだと思われるかも」
「でも相手自身が、年上には少しエラそうにして欲しいと思うような人かもしれないし、敬語ばかりだと舐められるのでは?」
「いや、でも、腰が低くて余裕のある人だと思われるかもしれない」

などなど、ああでもないこうでもないと考えてしまいます。
で、結局、タメ口や敬語を混ぜて使うのが面倒なので、敬語で一貫させるのですが、それで相手から先に
タメ口混じりで来ると、変に対抗意識が芽生え、こっちもタメ口混じりになり、元々余裕ぶって敬語で
話してたのに、結局タメ口混じりになる自分の器の小ささや神経質さにウンザリしてしまいます。
また、その場の空気が少し険悪になる気がします。

ただ、相手がタメ口になってもこちらは敬語で一貫させることもあります。
相手がタメ口になったからってタメ口にするのは、対抗意識が見透かされそうで嫌なので、敬語のまま
通すわけです。(これはこれで器が小さく、なおかつ神経質)
でもこれはこれで、どっか舐められてしまうんですよね。
まぁ舐められることが悪いとは限りませんが、やはり不快です。

このように相手と自分の些細な言葉遣いが気になってしまい、会話を楽しめないし、疲れてしまうのです。

世間の人は、僕ほど言葉づかいに執着したり恐れたりしてないように感じます。
自分でも病的だなーと自覚してます。以前はこんなんじゃなかったので。
以前は、年下の相手がタメ口でもさほど気にせず、普通に自分もタメ口にしてたし、
相手にもよりますが、そもそもタメ口にするのは仲良くしたい気持ちの表れという風に、
好意的に解釈する余裕もありました。
特別、以前と比べて人間関係等で苦労してるわけでもないのに、なぜか神経質になってしまいました。

敬語とタメ口は、どういう心構えで、どう使い分ければいいのでしょうか?
よろしくお願いします。
(実はこの「よろしくお願いします」も、漢字の方が失礼がないだろうかとか、
逆に漢字だと堅苦しすぎるかもとか、致しますが必要では?とか、いちいち考えすぎてしまいます笑)

 

【中村うさぎの回答】

あなたは「自分が他人にどう思われるか」という問題が気になって気になって、身動きできなくなっているのですね。
もちろん誰だって「他人にどう思われてるか」は気になりますが、でも他人の受け取り方や解釈の仕方は十人十色ですから、「こうすれば必ずこう思われる」という正解はありません。
「礼儀正しい」ことを評価する人もいれば「堅苦しい」と感じる人もいる。
「ざっくばらんに本音を言う」人を「正直で信用できる」と思う人もいれば「図々しくて無礼なやつ」と苦々しく感じる人もいるでしょう。

要するにあなたが敬語を使おうがタメ口使おうが、他人はその人なりの価値観で勝手にあなたを評価する、ということです。
ですから、「他人の受け取り方」をメインに考えていたら、この問題には永遠に答えが出ません。
それよりも「自分がどういう人間でありたいか」を基軸にして考えると、おのずと答えは出てくるような気がします。

年下にタメ口て話すと「偉そうに思われるのではないか」とあなたは懸念しますが、そう感じる人が一部いたとしても、他方ではそんなあなたに親近感を持つかもしれません。
あなたの言うとおり、タメ口は相手との距離感を縮めるからです。
逆に年下にも敬語を使っていると「腰の低い人」と受け取る相手もいれば「いつも壁を作っている」と感じる人もいる。
どちらにしてもよく思わない人が必ずいるとなれば・・・

 

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