本日配信のオフィシャルメールマガジンの1コーナー「うさぎの図書館」では、中村うさぎの思春期に多大な影響を与えたという萩尾望都作品について語られています。
萩尾望都は思春期の私に多大な影響を与えた漫画家である。
「ポーの一族」シリーズや「トーマの心臓」「百億の昼と千億の夜(これは原作が光瀬龍)」などなど、夢中で読みふけった作品は数限りないが、ここでは「半神」という短編を取り上げたいと思う。
「半神」は文字どおり体の半分がくっついたシャム双生児(結合双生児)の姉妹の物語である。
片方は美しくて片方は醜い。
が、美しいほうはほとんど白痴であり、醜いほうは賢い。
賢いほうの少女が醜い容姿をしているのは、片割れに栄養分を取られて干からびているからである。
それゆえ賢いほうは美しい片割れを憎み、ほとんど白痴のくせにその美貌ゆえにチヤホヤされる彼女に嫉妬している。