変な編集者=変集者のお話。
「中村直腸の説話」
第五回目ゲスト
小説家 伏見憲明さん
伏見憲明の公式サイト
動画はコチラ
http://bit.ly/2EZeTfl
こんにちはー。
「人生相談」のお時間です。
毎回役立たずの回答ですみませんが、今回も相当です。
えーと、今回は「ラルフ」さんからのご相談です。
【お名前】
ラルフさん
【都道府県】
千葉県
【性別】
女性
【年齢】
27歳
【ジャンル】
家庭
【相談内容】
うさぎさん、いつも素敵な文書をありがとうございます。
私の両親のことで相談があります。
私の父は最近定年退職をしました。それと同時に発覚したのが父の浮気と風俗通いです。
それまで両親のそのような不貞(と言っては大げさかもしれませんが)は考えたことも、感じたこともなく、私は大変驚き体調を崩すほどでした。そのような父も、それを愚痴って大量のメールを送ってくる母も気持ちが悪く、汚らわしいと感じてしまったからです。いい年をして恥ずかしいのですが。
父には浮気や風俗通いを隠すマナーもなければ、母にはそのような夫と離婚をする強さもなく、私は両者とも愚かに感じてしまい辟易してしまっているのが本音です。
夫婦のことなのでほっておけと言われるのですが、母は(父もですが)友達がおらず私が愚痴を聞かなければ、どうなってしまうのかと不安もあります。
私は娘としてどのような対応をすればいいのでしょうか。
はう~、「どのような対応をすればいい」のか、私にもわかりません~(笑)。
だって他人の夫婦関係なんて、何も知らない人間が口出しできるようなことじゃないしさぁ……というのが本音ですが、せっかくお寄せくださったご相談にそんな回答ではあまりにもひどいので、ご一緒に考えてみましょう。
まず、ラルフさんは「父には浮気や風俗通いを隠すマナーもなければ」と書かれていますが、それにしては定年退職するまで発覚しなかったなんて奇跡的ですよね。
浮気や風俗通いなんて、昨日今日始めるようなもんじゃありません。
ずっと昔からやっていたんでしょうから、もうとっくに発覚しててもおかしくないはずです。
なんだかんだ言って、お父さんは、やっぱり隠してたんじゃありませんか?
でもバレちゃったから、今はもう開き直って隠す気なくしてるだけなのかも。
だとしたら、長年の女遊びを家族に隠しとおすくらいの気遣いはあったんじゃないかと。
そして、それを隠しとおすのは並大抵の努力ではなかったと思うのです。
「男は浮気するもんだー」とか何とか言って開き直っちゃったほうがラクですよ。
ラルフさんは、お父さんが浮気してたことが許せないのでしょうか?
それとも、それを家族に隠すマナーの無さが許せないのでしょうか?
後者だとしたら、こんなに長い間頑張って隠してきたんだから、まぁ、その努力は認めてあげましょうよ。
で、前者だとしたら、です。
これはもうね、仕方ないことだと諦めるしかありません。
2014年10月7日(火)、中村うさぎの著書
『新宿二丁目の女王』が発売されました。
【本文より】
『あたしたちはそうやって「自分」から逃げ続けるの。だって、1番苦手なコスプレは「ホントの自分」ってヤツだもんね!』
『人間は同類だけで暮らすとブスになる。でもさ、ブスって自由で素敵な生き物なのよね!』
『女ってさ、男の視線で自分を規定しようとすると、どうしても定型にはまってつまんない人間になっちゃうのよ。』
愛すべきオネエ様たちへの深いリスペクト、そして反面教師として学んだエピソードが満載です。
リリースキャンペーンとして、2014年10月16日(木)まで250円にて販売しています。
皆様、是非チェックしてくださいね!
毎度~!
誰の役にも立たない「人生相談」のお時間でーす。
今回の相談者は「天使」さんです。
ではでは、さっそく……。
【お名前】
天使さん
【都道府県】
兵庫県
【性別】
女性
【年齢】
51歳
【ジャンル】
家庭
【相談内容】
割り切り方について教えて頂きたく存じます。よろしくお願いいたします。
うさぎさんは虚言癖のある方が好きだと書かれていますが、私も虚言癖のある男が大好きというより、見下してふーんふーんと言ってもっと辻褄の合わない嘘を付かせて、こいつバカと軽蔑するのが大好きです。相手もこれ位で騙されてるのかバカ女と思っていますが。私が相手をとことんバカにしたい癖は父親にあると思います。父は虚言癖の持ち主で嘘泣きもしますし、西宮の議員のように窮地に陥ると本気泣もします。そして歪みも感じます。今ではサイコの一種では?と感じている次第です。
ここからが相談なのですが、本当に嫌いで同席すると気分が悪くなるほど嫌なのですが、そして心底見下していますが、父親だけは他の男と違って、虚言に触れたり逆ギレされると、コイツ殺したる!と私も少しイッテしまって、そして冷静にはなりますが、それから数ヶ月グラグラ黒い物がとぐろを巻いて、私は大変不愉快な中過ごさなければなりません。それが結構自分でも腹立たしいのです。
どうしたらバシッと気持ちを切り替えられるのでしょうか。合わなければいいのは百も承知です。数年に一度程しか会いませんが、全く合わないのは不可能です。もし全く合わないようになる時が来たら、、、その前に暴力振るうかな?
そして私はクリスチャンです。あはは…
最後の「あはは…」が笑えました。
そうですか、クリスチャンなんですね。
それではさぞ、人を憎んでしまう自分に罪悪感を抱いてらっしゃることでしょう。
キリストは一応、「人を愛せ」と教えてますからねぇ~。
しかも、相手は自分の父親。
いや、父親だからこそ許せないのでしょうが、やはり血を分けた肉親を憎悪するのは、本人にとって何より辛く苦しいことです。
できれば理想的な親を持って、心置きなく愛したいものですよ。
ところが、そうはいきません。
理想的な親なんて、この世にはほとんどいない。
親だって人間だもん、そりゃあ欠点だらけですよ。
身勝手だったり暴力をふるったりする親もいる。
だから、世間には肉親を深く憎んでいる人が大勢います。
べつに親だからって愛さなくちゃいけないなんて私は思いません。
育ててくれた恩人には違いないけど、まぁ、子どもを作った以上、養育するのは親の義務ですからねぇ。
育ててもらったことに、そこまで感謝する必要なんかないんじゃないかな。
それに欠点だらけの親を持った子どもは確実に不幸なわけですし、「おまえのせいで私は子どもの頃から大変だったんだよ!」てな気持ちになるのは当然です。
いいじゃないですか。
どんどん憎んでしまいなさい。
親だからって遠慮するこたぁありませんよ。
嫌いなものは嫌い、憎いものは憎い。
それでいいのです。
が、それにしても、です。
ここてひとつ、私から問題提起をさせてください。
他人なら笑って許せることも、相手が親だと途端に激しい憎悪が湧いてくるのは、いったい何故なんでしょうね?
天使さんも、赤の他人が偉そうに虚言を吐いてるのを見てても内心で「ぷっ」とか笑っていられるのに、それが父親だと笑えなくなってしまう。
笑うどころか、激しい憎悪と嫌悪の虜になってしまい、理性も客観性も吹っ飛んで、胸の中にグラグラと黒いものがとぐろを巻いてしまう。
文章を読む限り、自己洞察力にも長けていて知的なあなたなのに、何故、父親に対してだけはそんなふうになってしまうのでしょう?
それはね、私が思うに・・・。