中村うさぎの人生相談

あなたの「どん底」は、何に比べての「どん底」なのか。 他人に比べて?自分の理想に比べて?どこまでいっても人生は「どん底」です。

「人生相談」というのは面白いものです。

じつは私は他人の相談に乗ってる場合ではないほど精神的にも経済的にも追い詰められているのですが、こうやって役に立たないながらも皆さんの相談事に真剣に答えようと知恵を振り絞っているうちに、不思議と自分の悩み事にも答えが出てくる気がするのです。

しかも、自分の悩みとはまったくかけ離れているように見える悩みでも、答えを探しているうちにいつの間にか自分への回答に繋がっていく。

いや、本当に不思議です。

そういうわけで、今回は「メルモ」さんからのご相談です。
メルモさんと私との間に、共通点はほとんどありません。
あるとしたら「人生どん底」と感じていることくらいでしょうか。

しかし、当然ながら、その「どん底」の形態も全然違います。
さて、私は、こんなにも自分と違うメルモさんのご相談に答えながら、自分の悩みの解決方法も見い出せるでしょうか?

【お名前】
メルモさん

【都道府県】
大阪府

【性別】 
女性

【年齢】
45歳

【ジャンル】
人間関係

【相談内容】
こんばんわ。メルマガ登録させていただきました。みんな悩んで生きてるとゆう事がわかります。私の悩みも聞いて下さい。長文になるかも分かりませんがよろしくお願いいたします。私は3人兄弟の次女で姉と弟が一人います。昔から家庭は夫婦仲も親子間もギスギスとした関係でした。父は全く仕事をしな人であり子供にも関心がない人でしたので母が
家庭を支配し怒鳴り散らしてた記憶しかありません。母もお金もなく必死だったのだと思います。
今から40年ぐらい前に姉はまだ日本に拒食症とゆう病気もしれわたってない時代に拒食症になり体重は小学校の5年生で16㎏になり一年間大学病院で入院してました。退院してからは今度、何故なのか姉は私に大量の食事をする事を強要されました。
親は見てみぬふりです。昔の話をしても仕方ないし親も若かったので私弟夫婦は借金1000万円也を親に援助してもらった上で、更に借金を重ねて逃亡。もう浮浪者ルンペンにでもなってるのかと思います。
今も昔も離散一家です。どうしようもないです。また私は結婚し絶対に自分が育った家のような家庭は作らないと頑張ってきましたが不妊治療のかいもなく、子供は出来ませんでした。3年前に義理の父が糖尿病と認知症になり誰も見る人がなく2年間介護しましたが今度は仕事が見つかりません。45歳の年齢では面接までも
たどり着けません。なんだかもう人生がどんぞこ過ぎて、生きてるのも
イヤになります。

 

【中村うさぎの回答】

うーむ、なるほど。

メルモさんの「人生どん底」感は、どうやら主に「家族関係」に起因しているようですね、
小学生の頃にお姉さんが罹った「拒食症」も、おそらくはそれが原因でしょう。
摂食障害」は全部が全部とは言いませんが、家族関係に原因があるケースが多いからです。

ただ、メルモさんが書かれている情報があまりにも少ないので、読んでているうちに次々と疑問が湧いてきます。

お姉さんの摂食障害は治ったのか?
そして、お姉さんは今、どのような暮らしをしているのか?

弟さんの借金の理由は何なのか?
事業の失敗なのか浪費癖なのか、それによって彼の人物像も変わってきます。

さらに、お父さんとお母さんは、今どうしているのか?
「お金がない」ご両親が、弟さんにどうやって1000万円も援助できたのか?

不妊治療の甲斐なく子どもはできなかったようだが、夫婦関係はどうなのか?
仕事が見つからないとのことだが、今までは働いてなかったのか?
義父の介護のためにしばらく専業主婦だったとしたら、そんなに焦って仕事を探す必要もなく、しばらく夫に養ってもらったらどうだろうか?
それとも、それができない何らかの理由があるのだろうか(夫と離婚しそうとか、夫がリストラされたとか)?

と、まぁ、ざっとこれくらいの疑問が湧いてくるわけです。

 

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タバコは外せないわ?!世界の終わりの日まで吸い続けるわよ!

先週から今週にかけて、夫の家族が香港から来てるの。

で、彼らが日本に来たら必ず行くのが、新宿の「はなもんや」という焼肉屋さん。
何年か前に連れてったらすっかり気にいってくれて、今やここの焼肉を食べるのを楽しみにしてくれてるの。

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もちろん、今回も行きましたよー!
写真は「赤身の盛り合わせ
いろんな部位が食べれて楽しい!

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こちらはレバーと丸腸。
内臓も美味しいよね!

 

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中村うさぎの著書 『死を笑う うさぎとまさると生と死と』発売のお知らせ

2015年2月20日(金)、中村うさぎの著書
『死を笑う うさぎとまさると生と死と』が発売されます。

元外交官であり文筆家の佐藤優さんとの、文藝春秋刊の「聖書を語る」に続いて、今回は死をめぐる共書になります。

命の死だけではない、様々な死について、死の淵からよみがえった2人が語り尽くす異色対談集です。

皆様、是非チェックしてくださいね!

詳細ページはこちら

著作本一覧

死を笑う うさぎとまさると生と死と

  • 死を笑う うさぎとまさると生と死と

  • 出版社:毎日新聞社

  • 発売日:2015/2/20

    単行本: 224ページ

  • 万人に必ず訪れる最期の日。その日を前に人はどうあるべきか?

    女の業を生きる「痴の巨人」中村うさぎと、現代を代表する「知の怪人」佐藤優。

    ともにキリスト教に影響を受け、そして原因不明の病で死の淵をさまよった中村と、いわゆる「鈴木宗男事件」で社会的に殺されかけた佐藤。

    異色の二人が贈る「死の入門書」がついに解禁。

中村うさぎの人生相談

あなたは彼の言葉の呪縛から解き放たれない限り、自尊心を取り戻すことはできません。

「人生相談」のお時間です。
今回は「山田」さんという若い女性からのご相談です。

 

【お名前】
山田さん

【都道府県】

【性別】 
女性

【年齢】
21歳

【ジャンル】
その他

【相談内容】
うさぎさんの本を読んで閉鎖病棟での生活を乗り越えられ、一時的に精神疾患から脱せられました。本当にありがとうございます。

とても勇気が湧いてくるブッ飛んだ行動力と自己愛を感じます。
私はうさぎさんと対極で、自信がなく何をすればいいかわからないまま、花の十代と言われる時代を精神疾患と共に鬱屈と過ごしました。
気づいたときには終わっていたという感じです。

精神にきたる病はもう治療を諦め、「つらくしんどくなったときは自分の思考力で誤魔化していく」方向でなんとか死から生への転換をしているところです。

しかし生活環境です。
私は山や田のある場所ではないですが、思考的に田舎民族の土地、両親の出身です。
私はやっと先日からアルバイトを始めたフリーターとも言えない立場で、親にも友人にも頭が上がらずどうしても今の自分から脱することができずにいます。

まず金銭の問題です。
私は金銭的に自立をしたい希望だけが強く、まだまだ両親のお金に頼りまくりです。アルバイトが終わったあとの、何をしていいか分からない莫大な虚無感、孤独感。
チミチミ湧いてくるやる気と変身願望とは裏腹に、何をしていいかわからない自分がいます。

そして承認欲求です。
私は鬱病を宣告されたあとに処女を喪い、完全にセックス依存症になりました。
そのことでかつての交際相手から罵倒され、お前は絶対に幸せになれないと言われ、当時そして現在も相手を好いている私は一人になった悲しみと言葉の棘が刺さりに刺さった心を持て余しています。

そして思いついたのが出稼ぎ風俗。
これは自分に関わっている人、両親や友人、過去になった人々からも一生に渡り否定されると分かっている選択肢です。
実家にいると申し訳ない気分になりごはんも食べられない。
自分のお金で生きてみたい。
思い立った理由はその二つだけでした。

うさぎさんはデリヘル経験をされていますし、その頃には自立もされていたでしょうから行動や自分の人生の選択肢に責任を持っていたと思います。私と比べるのはおかしいと思いますが、うさぎさんのように楽しさも強さも寂しさも受け入れた強い女性になりたい思いがあり、相談をさせていただきます。

具体的になんの相談なのかと言われると、私自身明確な言葉が見つけられず、偶然みつけたこちらの直に尋ねられる機会にただ喜んでいます。

お金がすべてでしょうか?
人に認められない、異性に愛されない自分にもう価値があるのかわかりません。
この甘えた思考を叩き潰すような厳しいご意見をどうかよろしくお願いします。

 

【中村うさぎの回答】

山田さん、鬱病は本当につらいでしょうね。
私も先週、MXTVの番組降板にまつわるゴタゴタからすっかり鬱状態となり、毎日、死にたい想いと戦っていました。

私は決して、強い人間なんかじゃありません。

今回の件でもわかるように、すぐに心が折れちゃう、弱い人間です。
なので、あなたの望むような「強い人間」の立場からお答えすることはできません。
が、弱い人間なりに、あなたのお悩みについて真剣に考えていきたいと思います。

まず、あなたは「鬱病」という病でつまづきました。
まだ若いのに、この病を背負うのは大変です。
が、はっきり言って、私はこの「鬱病」なる病が、投薬やカウンセリングで治るとは思ってません。
山田さんのおっしゃるように、「自分の思考力」でそこから脱するしかないのです。
それは「誤魔化し」でも何でもない。
むしろ、薬で無理やり精神状態を上げるほうが「誤魔化し」ですよ。
あなたのように「自分の思考力」で病と対峙することのほうが、よっぽど律儀で正々堂々としたあり方だと私は思います。

そういう意味で、私はあなたをリスペクトします。

あなたは、自分で思っているより、はるかに強い人間ですよ。

 

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