中村うさぎの人生相談

「何のために生まれてきたのか」という問いには、永遠に答が出ません。

人生相談のお時間です。
今回は「そら」さんからのご相談です。

 

【お名前】
そらさん

【都道府県】
神奈川県

【性別】
女性

【年齢】
55歳

【ジャンル】
人間関係

【相談内容】
うさぎさん。うさぎさんのお答えは毎回、胸に響きます。
答になってないって言われますが、共に考え、感じてくださる姿勢が私は本当に大好きです。

これで4回目の相談です。うさぎさんからのアドバイス?を何回も読み直しては、自分の人生をどう終わらせていこうかと日々、考えています。

今日、知り合いが自ら命を断ちました。原因は借金。
残された奥さまやお子さまのお気持ちを考えると軽率な発言はできません。彼は救われたのかしら。

孤独は耐え難い。愛も信じられない。それでも今、私が死ぬことを選ばず、苦しみながら生きてるのは、多分、残される子供の気持ちを考えるからです。
生きてても楽しいことなんてたかがしれています。じゃあ何のために産まれてきたのかな?うさぎさん?私は生かされてるんだ。って意味がわかりません。
お金より大切なものはありますか?ドラマのセリフみたいですが、結局、愛も健康も大抵なものは手に入ります。嫌な事を回避できます。

寂しい考えかもしれないですが、結婚しても彼氏がいても愛なんて誠じゃありません。
人と上手に繋がれないナルシストの私にはやっぱりお金が一番大切なんじゃない。って思えてきます。周りにいるお金持ちの人達が妬ましい。
産まれながらにお金持ち…不公平です。
彼だってお金さえあれば頑張れたかもしれません。
うさぎさん?
人生で一番大切なものは何ですか?
この年でまだ迷い続けています。

 

【中村うさぎの回答】

うさぎさん?」という問いかけの形で書かれた内容に、まずはご返事いたします。

「うさぎさん?私は生かされてるんだ、って意味がわかりません
私も、その言葉の意味はわかりません。
べつに「生かされてる」と思ってないからです。
生かされている」と言うからには何らかの超越者や絶対者の意思を前提としているのだ思いますが、そのような存在を私は想定していません。
私の考えでは、人は何者かに「生かされている」のではなく、勝手に生きているのです。
だから死ぬのも勝手です。

そらさんのご友人が自殺したのも、彼の選択です。
ご遺族には気の毒ですが、彼がそれを選んだのだから仕方ありません。
彼が救われたのかどうかも、私にはわかりません。
ていうか、たぶん誰にもわかりません。
ただ、人は何かから逃げたくて自殺するのでしょうから、そういう意味では自殺が成功した時点で、彼は逃げおおせたのだと思います。
逃げるのが目的なら、それは達成されたのではないでしょうか。

それから、もうひとつの問いかけ。
うさぎさん?人生で一番大切なものは何ですか?
人生で一番大切なものが何なのかは、それぞれが決めることだと思いますので、この質問に普遍的な回答はできません。
なので「私の場合は」という但し書き付きで答えさせていただきますね。

非常に自分勝手な意見で申し訳ないのですが、私にとって「人生で一番大切なもの」は「自分」です。
もっと言えば「自分がいかに自分を満足させられるか」です。
と、このように言うと、「それではおまえは、誰かのために何かすることを大切だとは思わないのか」という問いがどこからか飛んできそうですが、「誰かのために何かする」こともまた結果的には「自分を満足させるため」だと思っています。

ですから、どのような生き方をするにせよ、自分がそれに満足していなくては始まらない、と考えているわけです。
決して「人のために生きるのはバカバカしい」とは思ってないので、お間違えのないよう願います。
と、このようなことをグダグダ言わなくてはいけないのは、多くの人がろくろく言葉の意味を考えもせずに上っ面だけで決めつけるからです。
自分の言葉が間違って受け取られるのは本意ではないので、「ここまで説明する必要があるのか」と思いながらも説明させていただきました。
すみません。

 

この続きはメールマガジンにご登録後、ご覧いただけます。

中村うさぎオフィシャルメールマガジン
「中村うさぎの死ぬまでに伝えたい話」
トピックス (最新情報)

オフィシャルメールマガジン「中村うさぎの死ぬまでに伝えたい話」配信日延期のお知らせ。

今号のメルマガ配信は中村うさぎ本人の事情により、2016年1月18日(月)18:00に延期とさせていただきます。
当メルマガを楽しみにされていた会員の皆様、誠に申し訳ありません。

以下、中村うさぎ本人からのコメントを預かって参りましたので、来週月曜日まで、もうしばらくお待ちください。

【中村うさぎ本人からのコメント】

メルマガ会員の皆さん、本当にすみません!

間に合いませんでした。

 

この続きはメールマガジンにご登録後、ご覧いただけます。

中村うさぎオフィシャルメールマガジン
「中村うさぎの死ぬまでに伝えたい話」
うさぎ的日常日記

肥えましておめでとう!な中村の2016年新春であります

あけましておめでとう!

年末から正月にかけて、2キロ太った中村でーす!
いかんいかん、ダイエットしなきゃ!

何しろ正月は、ネットで取り寄せたおせち料理がおいしくて、ついつい食べ過ぎちゃったのよねー!

博多久松ってお店の三段重おせち、15800円也。
まず上の重。
S__21340203

栗きんとん、伊達巻、金柑甘露煮あたりが、あたしの大好物!
って、甘いものばっかじゃん!
中の重。
S__21340204

鷄つくねや真だらこ煮、黒豆、鷄松風、、、
おせちってさ?、甘い味付けの物が圧倒的に多いよね!
だから美味しいんだけど!
そして下の重。
S__21340205

左上の「豚軟骨煮」が柔らかくてめっちゃ美味どした!
あと、サツマイモの角切りに胡麻をまぶしたヤツとか、梅の甘露煮とか、
どれも小技が効いてて美味しいのよ!

ここのおせち、気に入ったわ!

 

この続きはメールマガジンにご登録後、ご覧いただけます。

中村うさぎオフィシャルメールマガジン
「中村うさぎの死ぬまでに伝えたい話」
中村うさぎの人生相談

「あなたがどうしたいか」という問題に答えを出せるのは、あなた自身しかいません

人生相談のお時間です。
今回は「おはぎ」さんのご相談です。
めっちゃ長いです。
時間のある時に読んでください。

 

【お名前】
おはぎさん

【都道府県】
北海道

【性別】
女性

【年齢】
39歳

【ジャンル】
人間関係

【相談内容】
うさぎさん、毎週メルマガを楽しみに待っている読者の一人です。
人生相談させてください。
私には母と姉がいます。(父は亡くなっています)
私は母の妹の子供なのですが小さい時に引き取られて養子になりました。(成人してから聞きました)
私も姉も結婚して家を出ています。姉は実家近く、私は車で1時間くらいのところに住んでいます。
以前、姉から離婚するかもしれないと連絡を受けたことがあって、その時は色々と相談に乗ったり様子を見に行ったり毎日のようにLINEでネガティブな姉を励ましたりしていました。
その後、しばらくしてから私の体調が悪くなり(鬱病です)、精神的に不安定な状態が続き、姉に連絡をしました。
自分が不安なことや聞いて欲しいことをLINEで送っていたのですが、姉に「私は自分のことと子供のことで精一杯だから」と突き放されました。その頃は姉の家庭もだいぶ落ち着いてきていた頃だったと思います。
自分が辛い時は私に鬼のようにLINEしてきていたのに私が辛い時は聞いてくれないんだな、とその時姉に対しての見方が変わりました。

そして母親はアルコール依存症の毒親で、姉も私も母のことは心底嫌いでした。父が生きていた頃は、仲が悪すぎる姉と母の間に入って喧嘩が大きくならないようになだめたりしましたが、父が死んでから私の中の何かがプッツリ切れました。そこからは姉にも母にもほぼ連絡は取らなくなりました。

つい先日のことです。
姉から電話がありました。
一人暮らししている母の状態がひどい。人間の暮らしじゃない、というような内容です。姉の夫がしばしば様子を見に行ってくれていたようです。
その時は、私は母親の面倒は見れないし見たくないという意志は伝えていました。姉も本心では面倒は見たくないと思ってるけど、夫が様子を見に行ったりしている以上、何もしないわけにはいかないからとのことでした。
数日後に母が入院するという電話が。消化器にガンが見つかったらしいです。
御見舞に行くべきか、悩んでいると話したら、手術とかが決まったらでいいんじゃない?と言われ、じゃあそうするねと話していました。
その後、手術は何日だからというメールがきて、了解ですと返信していました。
そしたら急に電話がきて電話口で怒られました。
「母のことは私が全部面倒見るからいいよ。私はそのために仕事もやめたし家庭も犠牲にしてるから。あんたは母が死んでも母があんたに残したものは放棄してね」
と一方的にまくしたてられて私は唖然。
その後、なぜそんなに八つ当たり的なことをされたのかと講義の電話をしたら、怒ってるわけじゃない、ただ親だから私は最後はちゃんとしようって思ってるだけ、あんたは手伝うかい?の一言もなく何もしない、甘えるな。と言われました。確かに姉の言うことは正しいと思います。でも私は姉にそこまで言われる筋合いはないと思い腹が立ちました。ただ自分がしている事に私が思ったように反応しないからイラついているようにしか思えません。
その後、お見舞いに行こうと思うんだけどと相談のメールをして、じゃあこの日に手術の説明があるから来てくれる?と返信がきたので日時など確認していたのに次の日には、手術の説明は聞きにこなくていい、お見舞いに行くなら一人で行って。頼らないで。とのことでした。

もう姉と絶縁してしまった方がお互いにせいせいするのではないかと思うのですが、どう思いますか?
姉は全部私がやるから大丈夫、気持ちがないなら来ないで、と今の私の気持ちを聞くこともなく一方的に言ってきました。
ということは、もう私の気持ちも聞かないし、勝手にやってということですよね?
私がどう出たら姉が満足するかわからないのです。

長々となりすいません。
お答え、いただけたらと思います。よろしくお願いいたします。

 

【中村うさぎの回答】

私がどう出たら姉が満足するのかわからない」と書いてらっしゃいますが、あなたはお姉さんを満足させたいのか、自分を満足させたいのか、どちらなのでしょうか?
まずは、そこから決めてください。

この一文に突き当たるまでは、私は「お姉さんと絶縁すればいいんじゃないの?」と思っていました。
あなたもお姉さんに不満だし向こうもあなたに不満なのですから、双方とも歩み寄る気がない以上、距離を置くしかないように思えたのです。
が、最後の最後にこれが出てきたので、「あ、お姉さんを満足させる方法を尋ねているのか」と思い直し、それなら絶縁はますます相手を怒らせるだけだから得策ではなかろうと考えました。

お姉さんを満足させたいのなら、あなたはどんなに嫌でも自分の気持ちをぐっと押し殺し、積極的にお姉さんを手伝って母親の世話を甲斐甲斐しく焼けばいい。
まぁ、ちょっと今さらという気もしますが、何もしないよりはマシだと思います。

しかし、あなたは本心ではお姉さんのことも母親のことも好きじゃないので「もう私は知らない。勝手にやって」と思っているようにも感じられます。
お姉さんを満足させるのではなく自分を満足させたいのなら、無理して介護やら世話やらした挙句に姉にも母親にもウンザリする必要はないでしょう。
その代わり、お姉さんの言うとおり、相続を放棄すればいいだけの話です。
あなたに対するお姉さんの一番の不満は「母親の世話を全部私に押し付けて、自分は何もしないくせに、財産だけはちゃっかり持って行こうとしてる」という点みたいですから、あなたが母親の面倒を見たくないのならお姉さんに「母親介護料」として自分の相続分を渡せばすむのではないでしょうか。
嫌いな人の財産なんて、あなたも欲しくないでしょう?
いや、面倒は見たくないけど財産は欲しい」というのなら、それはお姉さんの言うとおり、あなたの「甘え」です。

要するに、「あなたはどうしたいのか」が、この文面からは見えてこない、というのが私の困惑の理由です。

 

この続きはメールマガジンにご登録後、ご覧いただけます。

中村うさぎオフィシャルメールマガジン
「中村うさぎの死ぬまでに伝えたい話」
中村うさぎの人生相談

「教育とは洗脳です」というのが私の意見です。

人生相談のお時間です。
今回のご相談者は「西村卓也」さんです。

 

【お名前】
西村卓也さん

【都道府県】
埼玉県

【性別】
男性

【年齢】
34歳

【ジャンル】
仕事

【相談内容】
毎回、うさぎさんの真剣な言葉に深く共感しています。うさぎさんのような洞察力とでも言いましょうか、観察眼を私も身につけられるよう精進してます。

さて、相談です。私は、塾の講師をしています。小学生・中学生を扱う進学塾です。小学生は、中学受験をしない児童が通っています。中学生は高校受験に向けて通塾しています。

塾というところは、ご存知かもしれませんが「合格するため」「学校でよい成績を取るため」「定期テストの点数を上げるため」という目的に特化したところです。授業のカリキュラムや指導の仕方も、それを前提として組まれます。

私が塾業界で働き始めたころ、通塾する子どもたちは、そういったことを前提に通っていると思っていました。また、そう上司に教えられてきました。しかし、実際は違うのです。もちろんそういった子もいます。「偏差値のいい学校へ」を合言葉に必死になってがんばっている子もいます。

でも、ほとんどの子は親に行かされています。子ども自身は「行かされている」思っていなくても、「行くのが当たり前だ」と刷り込まれているのです。

彼らは塾で勉強することを心の底から望んでいません。「テストがあるから」「受験があるから」「学校で悪い点数を取ったら」という条件付きで嫌々来ている子がほとんどです。

私は、そんな様子を見て「自分のやっていることは本当にこれでいいのだろうか」と長年思ってきました。子どもを点数で見てしまう、進学する高校で見てしまう自分に嫌気がさしてきました。

仕事なので精いっぱいしなければいけないという使命感はあります。「子どもが、親が望むのであれば、自分の気持ちを殺してでもしなければいけない」と言い聞かせています。
会社は、「生徒数は!」「売り上げは!」と数字の話が中心です。「生徒のために…」と表では言っていますが…。

子どもって正直で、すぐに言動や顔にあらわれます。「嫌だ!」というサインです。私は長年(約10年)してきたせいか、それに気づいてきました。以前は、黙殺してましたが。

「もっと遊びたいだろうにな」と彼らの心情をふと考えたりします。

だから私は自分の授業を変えようと思いました。「生徒が笑っている授業」「楽しいと思える授業」へと。カリキュラムや授業の体裁は完全に無視してます。

すみません、文章でうまく伝えられず長くなりました。私はこういったジレンマに悩んでいます。もちろん「仕事変えたら?」と思うかもしれませんが、現状、放り出すわけにはいきません。(私が辞めても何も問題はないのですが…)

また、教育って何でしょうね?学校も塾も結局は数字なんですよね。でも、そんなんで幸せになれない。何を教えたらいいのか。「1467年に何が起こった」なんて、どうでもいいよ。彼らに何を伝えたらいいのでしょうか。あるいは、ひょっとしてこんなことを考えていること自体、私の考えは傲慢なのか。彼らを見下しているのか。…悩みます。以前、うさぎさんのお悩み相談の回答に少し書いてありましたね。もう少し深く、うさぎさんの教育観を教えていただけないでしょうか。

 

【中村うさぎの回答】

まず、「教育とは何か」という問いに関しては、「教育とは洗脳です」というのが私の意見です。
家庭での教育も学校での教育も、すべては「洗脳」です。
が、「洗脳」が悪いことだとは思いません。
倫理や社会常識なんてものは、教育という洗脳なくては植え付けられません。
そんなもの、子どもの頭の中に自然発生するわけないですからね。
誰かが植え付けなくてはならないものです。

で、親や教育者はそのような「洗脳」を義務づけられているわけですが、ここで問題になるのは「正しい価値観なんか植え付けられるのか?」ということです。
もちろん、あまりにも偏った思想や価値観を植え付けるのはどうかと思いますが、「公正なる価値観」なんてものも存在しないので、子どもに何かを教える以上、自分の偏見や無知ゆえの間違った世界観を授けてしまうことに関しては諦めなくてはなりません。
私たちには限界があるのです。

 

この続きはメールマガジンにご登録後、ご覧いただけます。

中村うさぎオフィシャルメールマガジン
「中村うさぎの死ぬまでに伝えたい話」