中村うさぎの人生相談

世の中、そうやって「住み分け」をするのが平和な解決方法だと私は思っています。

人生相談のお時間です。
今回のご相談者は「テンゾウ」さんです。

 

【お名前】
テンゾウさん

【都道府県】
神奈川県

【性別】
男性

【年齢】
29

【ジャンル】
その他

 

【メッセージ本文】
「自分は「ドラクエX」が大好きなゲイです。

人生相談とはちょっと違うのですが、先日、

『同性愛者を入店させないで』と投書した客に『もう来ないでください』。お店の回答にTwitterで称賛の声集まる
http://bit.ly/2qR7SHe
という記事がニュースに上がりました。

私はこの記事に非常に違和感を覚えました。
このニュースに対する大半の意見は「こういう会社で働きたい」とか「素晴らしい会社(上司)だ」のようでしたが、自分はゲイなのにまったくそう思えませんでしたし、店側のことをまったく称賛できませんでした。

日本人はこういう苦情に対してオブラートに包んだり、やんわり濁した回答をすることが通例ですが、それを感情を露わにばっさり切ってるところが新鮮で盛り上がってるだけと第一印象を受けました。

お客様の「そういうお店ってこともインターネットに流します」って最後の一文はいわゆる「脅し」だからこれは書いてはいけないことだと思います。
が、「男同士が手をつないで出てきて気持ち悪い」って感じてしまうから店側に何か対処してくださいっていうのは、たとえば「タバコの匂いが不快だからどうにかしてください」っていうのとそんなに変わらないんじゃないかな?と思いました。

一応「個人の意見」としてお客様に返答を出すわけではなく「企業の意見」として出してるわけだから、「あなたはもう来ないでください」って言っちゃうのは、どんなに怒りが込み上げててもダメだと思いました。

「皆さま大切なお客様です」って「平等」を強調してるのに、「もう来ないでください」って、このクレームを言ったお客を完全に切ってる点も、なんか腑に落ちません。
個人対個人のディベートだったら、この会話はありだと思います。
このクレームを言ったお客は、後日店に謝りに来られたらしいのですが、それもそれで変な話だと思います。「ネットに流すぞ」って脅しに対しての謝罪は必要と思いますが。

この会社はLGBTに理解ある会社ということは文面からわかるんですが、そっちに肩入れし過ぎて、まず企業としてのこの回答は本当に正しいのか(称賛に値するのか)疑問です。お客様が何を不快に思われるかは人それぞれなんで。それに対して真摯に向き合う姿勢がこの文章から一切感じられません。

男同士で手をつないでるのを見て「気持ち悪い」って思ってしまうのは全然差別じゃないと思うんです。個人的に。

自分ゲイですが。

ただ、それを見て、からかったり嫌がらせをしたら、それは差別です。

違和感の正体なんですが、個人の思想は自由です。まず、このお客様は気持ち悪いってことを店側に投書として伝えただけ。まだ思想の段階(たぶん?)です。なのに、さもあからさまな侮辱(差別)を直接この男同士カップルにしたかのように、店側は「もう、うちの店来るな」って言ってるのでなんか変です。

もし、店頭で男カップルに「見てて気持ち悪いから他の店行って欲しい」みたいなことを直接言ったのなら、店側は「あなたのようなお客様はもううちの店来ないでください」って言ってもOKと思うんです。それはめちゃくちゃかっこいいと思うんです。

追記:自分ゲイですが、こうゆう記事を通してLGBTが社会に理解されるきっかけになるのは確かにありがたいと思う反面、別のところで論点ずれて盛り上がってしまったり、なんかネタにされてる気もして、悲しいです。こういう記事が上がるってこと自体が、まだ社会に偏見や差別があるってことですからね。

中村うさぎさんはどう思われますか?

【中村うさぎの回答】

まず最初に謝らなくてはなりません。
せっかくニュースのURLを貼ってくださったのに、私はそのニュースを見ることができませんでした。
何故なら人生相談はプリントアウトした状態で手渡してもらってるので、クリックできないんですよ。
しかもアナログ人間なので、ニュースを検索して見つけることもできませんでした。
なので、ニュースを読んでない状態で、あなたの質問にお答えします。
もし私の理解不足や解釈に誤解があったら、本当にごめんなさい。

客側がどんな投書をしたのか、店側がどういう言葉で返事をしたのか、そのあたりの正確な情報を把握してない状態でお答えするのもアレなんですが、店側が「ゲイカップルが不快なら当店には来ないでください」というのは私の感覚では間違ってないと思います。
何故なら店には、客を選ぶ権利があるからです。

あなたの言うとおり、これは「タバコの煙が不快」問題と一緒です。
だから、とりあえず差別か否かは置いといて、「人は自分の快・不快をどこまで他者に強要できるか」という問題として考えましょう。
タバコの煙を不快に思うのは、個人の自由です。
なので、タバコの煙が大嫌いな人は、喫煙可のレストランに行かなければいい。
逆に私のようなヘビースモーカーは、禁煙レストランには絶対行かない。
世の中、そうやって「住み分け」をするのが平和な解決方法だと私は思っています。
そして、「喫煙可」にするか「禁煙」にするかは、その店が決めればいいことです。
「うちはタバコのお客さんもOK」と店が決めたのであれば、禁煙派のお客さんから「タバコの煙が不快なので対処してください」と言われても、「それはうちの方針なので、そんなにご迷惑なら禁煙レストランに行ってください」と答えるのは至極妥当に思えます。

 

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「中村うさぎの死ぬまでに伝えたい話」
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中野坂上に住んでた頃に行って、すっかり気に入ってしまった。

時々、無性に食べたくなるのが、こちらのお店のインド料理。

http://bit.ly/2qN8BsN

中野坂上に住んでた頃に行って、すっかり気に入ってしまった。

ここでは、私、カレーは注文しないの。

いや、ほんとは注文したいんだけど、他に好きな料理があり過ぎて、それ食べてるうちにお腹一杯になって、カレーまで辿り着けないのよ。

んで、今回久々に行って、好物を食べてきました。

まずは、これ。マサラナッツ。

カシューナッツにスパイシーな衣をまぶして揚げたもの。

これがスナックみたいでめちゃ美味しい!止まらなくなるわ!

ビールの好きな人は、絶対に合うと思うな!

で、お次も、スナックっぽい一品。

カリカリの衣が美味しい!

この2品だけで気分が上がっちゃう!

 

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6月トークイベントの先行予約受付開始のお知らせ。

第11回中村うさぎ単独トークイベント「うさぎのメルマガオフ会」の日程が決定いたしました!

本日18:00配信のメールマガジンの文末に、メルマガ会員様限定の先行予約の受付開始の旨も併せて、明記させて頂いておりますので、ご確認ください。

中村うさぎの人生相談

我々は病気をどうやって受け容れ、心の平静を取り戻せるのか?

人生相談のお時間です。
今回のご相談者は「さりー」さんです。

 

【お名前】
さりーさん

【都道府県】
東京都

【性別】
女性

【年齢】
50

【ジャンル】
その他

 

【メッセージ本文】
朝、目が醒めるたびに病気になった自分の状況を再確認し、もう以前の穏やかな気持ちには戻れないのかなと、辛いです。
うさぎさんは原因不明の病気になったことをどのように受け容れ、気持ちに折り合いをつけられていますか?

【中村うさぎの回答】

えーと、じつは全然、折り合いついてません。
つい2日ほど前まで病気の事でクヨクヨして、鬱スパイラルに突入してました。
さりーさんがどんな病気なのかは存じませんが、乗り越える方法なんて、今の私には皆目見当がつきません。

病気や事故って、一種の「暴力」ですよね。
人生に突然降りかかってくる、荒々しい殴打。
おかげで私はボコボコにされて完全にノックアウト状態ですよ。
どうにか自分を救おうと思いましたが、何の方策も見つからず、最悪の精神状態は脱したものの、いまだにフラフラしています。
このことについては「女王様のご生還」で書いたので、そちらをお読みください。
ただ、あなたの助けになるどころか、ますます落ち込ませてしまうような内容ですが。

さて、私も答えられないので、一緒に考えていきましょう。
我々は病気をどうやって受け容れ、心の平静を取り戻せるのか?
これも神がくださった試練で、私たちに何らかの気づきや進化をもたらすきっかけとなるのだ、と、クリスチャンなら言うかもしれません。
でも、そんな神様、バカヤローですよ。
この世を支配している神がいるとしたら、そいつは「不条理」という名の神です。
我々は「不条理」には勝てません。
だから、「諦める」というのが一番賢い方法なのでしょう。

 

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全席喫煙の店だから安心してタバコ吸えると思って、私はこの店を予約したんだよ。

先日行ったレストランでビックリしたので、本日はその話をしたいと思う。

私を驚かせたのは、こちらのお店です。

http://bit.ly/2m1eOyl

この店を予約する時、私は電話で喫煙可であることを確認した。

食べログに「全席喫煙可」と書いてあっても、私は必ず確認する。

店の方針が変わっている可能性があるからだ。

で、確かに喫煙可と言われたので予約したわけであるが、当日、店に入ると「本日はお煙草をご遠慮いただいております」と宣言された。

「え、なんで? 予約した時は喫煙できるって言ったじゃん!」

「そうなんですけど、今日は妊婦のお客様がいらしていて、皆さんにお煙草をご遠慮いただいているのです」

はぁ? ちょっと待ってよ!

全席喫煙の店だから安心してタバコ吸えると思って、私はこの店を予約したんだよ。

なのに、たったひとりの妊婦のせいで、客が全員タバコ禁止されちゃうわけ?

 

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