Monthly Archives: 1月 2017

中村うさぎの人生相談

人間は、ちゃんと怒ったり憎んだりしないと、自分が壊れてしまうんです。

人生相談のお時間です。
今回のご相談者は「ソフィア」さんです。

 

【お名前】
ソフィアさん

【都道府県】
東京都

【性別】
女性

【年齢】
32歳

【ジャンル】
家庭

 

【メッセージ本文】
今回相談したいのは母親とのことです。
私は母親を殺したいほど憎んでいます。
生みの親ではあっても育ての親だとは思っていません。
いつもニュースで親殺しの記事が出るたびに、次は私がやってしまうんじゃないかと本気で思っています。

私は幼少期から母親に育児放棄と虐待を受けました。
19歳の時に母親が借金を残して実家を飛び出して以来、私は母親が押しかけてきてもドアを開けず、彼女に会っていません。
時々電話で口論することはありました。

私は現在、海外に住んでいて、最近子どもを産んでシングルマザーになりました。
あと1、2年で日本に帰って、一からやり直すつもりでいます。
海外にいれば親の魔の手から逃れることができるので良かったのですが、もうそうすることもできなくなるので気が重いのです。

母は昔から父(既に他界)や周りの人間に金の無心をしてはギャンブルや遊びに使っていました。
母は金を貸して欲しいという自分の要求が通らないと、ありとあらゆる手段を使って自分の思いどおりにしようとします。
一日中相手に無言電話をしたり、家に押しかけてきて暴言を吐いたり、車に傷をつけたり、嫌がらせをします。
時には涙を浮かべて同情を誘います。

父が亡くなった今、標的が私になっています。
実家に住まわせろなどと連絡してくるので、電話番号を変えました。
すると今度は実家の郵便ポストの入り口がテープで塞がれ郵便物が届かなくなり、勝手に転居届を出されたりしています。
どうやらそうすることで私が母に連絡すると思っているようです。

私はかつて何度も母を許そうとしてきました。
そして存在するはずのない家族の絆を何度も信じようとしました。
それをやめたのはつい最近の事です。
その途端、大きな殺意が湧いてきました。

子どものことを第一に考えると殺人なんてとてもできないのですが、自分の理性が保てるかどうかわかりません。
実家に帰ると母親が押しかけて来るので、カッとなって刺してしまいそうです。
警察は大きな被害がないと思っており、頼りになりません。

今後は持ち家を処分して地方に住もうと思っていますが、シングルなので持ち家を手放すのが怖いです。
また私は母親に恐れを抱いているせいで他の女性達と仲良くするのも怖いのです。
あんな女から生まれてきた自分も怖いです。
子どもは女の子で産む前は不安でしたが、今はとても可愛いです。

うさぎさん、何でもいいから意見をお願いします。

【中村うさぎの回答】

私は法律に疎いのでよくわからないのですが、このような迷惑な人はたとえ母親であっても「接近禁止令」みたいな措置は取れるのではないでしょうか。
警察は何か事件でもないと相手にしてくれませんから、弁護士さんに相談したらどうかと思います。

借金を重ねて遊興費に費やしてしまうお母さんの気持ちは私もわからなくはないのですが(そういう意味では、私も反社会的人格なのでw)、しかし借金を断られて嫌がらせをしたりするのはちょっと度を越してますね。
お父さんはご存命中、どう対処していらしたのでしょうか。
まだ持ち家(実家のことですよね?)が残っているところをみると、お母さんに身ぐるみ剥がされたわけではなさそうです。
最後の最後まで「家」という砦を守り、妻の嫌がらせにもじっと耐えていたのでしょうか。
だとしたら、すごい精神力の持ち主ですね!
あなたは母親の血を引いている自分を怖いと感じているようですが、そういうお父さんの血も引いているのですから、大丈夫、きっと対処できるような気がします。

あなたのメールを読んでいて興味深かったのは「母親を許すのをやめた途端に、大きな殺意が湧いてきた」というくだりです。
それ、とてもいいことだと思いましたよ、私は。
あなたは怒りを抑え過ぎていたのです。
もっともっとちゃんと怒ってよかったのに、殺したいほど憎んでよかったのに、やっぱり母親への情が捨てられず、自分の怒りや憎悪を懸命に抑え続けていたのですね。
でも、もういいんです。
何十年か分の怒りを吐き出してください。
人間は、ちゃんと怒ったり憎んだりしないと、自分が壊れてしまうんです。
あなたの殺意は自然な感情です。恐れることはありません。

 

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本日18:00配信のメルマガ延期配信及び、来月トークイベントの先行予約受付開始のお知らせ。

本日18:00のメルマガ配信ですが、中村うさぎさんの都合により、2017年1月16日(月)に延期配信となりました。
大変申し訳ありません。

第7回中村うさぎ単独トークイベント「うさぎのメルマガオフ会」の日程が決定いたしました!
本日18:00に延期配信の旨をお伝えするメールマガジンの文末に、メルマガ会員様限定の先行予約の受付開始の旨も併せて、明記させていただいいておりますので、ご確認ください。

トピックス (最新情報)

第7回中村うさぎ単独トークイベント先行予約は2017年1月13日メルマガにて告知予定です。

いよいよ!2017年1月15日(日)に開催される第6回中村うさぎ単独トークイベント「うさぎのメルマガオフ会」ですが、おかげさまで、チケットは完売いたしました。

ありがとうございました!

前回、第5回では、「30代40代でやって良かった事、やった方が良い事、やっておけば良かった事はなんですか?」という参加者からのご質問に対して、中村うさぎさんは次の様に回答されていました。

やって良かった事。→離婚
やった方が良い事。→仕事
やってておけば良かった事。→SEX

その他、2016年で一番印象に残った出会いは東京ゲゲゲイのMIKEYさん。2017年で一番力をいれたいのは、キャンプファイヤーで出資者を募ったムック本製作など、バラエティに富んだ内容となるイベントでしたよ。

第6回もお楽しみに!

尚、来月2月の第7回のイベントはメルマガ会員限定の先行発売にて、2017年1月13日に告知予定です。

うさぎ的日常日記

2017年がいよいよスタート

あけましておめでとうございます!

皆さん、新年はいかがでしたか?

私はネットで注文したおせちをいただきましたよ!

超豪華!

大好物の栗きんとん、伊達巻、黒豆の他に山海の珍味がいっぱい!

美味しかったよー!

 

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中村うさぎの人生相談

「女嫌い」というよりも、「男への強いリスペクト」の念です。

人生相談のお時間です。
今回のご相談者は「シレン」さんです。

 

【お名前】
シレンさん

【都道府県】
愛知県

【性別】
女性

【年齢】
30歳

【ジャンル】
人間関係

 

【メッセージ本文】
私は女でありながら、とにかく女性が苦手です。
と言うと、別に普通なのですが、同性と友人関係が長続きせず、深い関係を築けず困っています。なんとなく、女子の絆、お互いの何かを共有することで深まると言うか、うまく言えないのですが女子特有の距離感や共有するものが共有できないという感じです。
小さい頃から、女同士で手を繋いだり、一緒にトイレに行くような行動が無理で、今も女子会などが苦手で、とくに女子が集まって生理の話や恋愛の話をするのが無理で、その場ではネタを挟んで自分の話もしますが、後で嫌悪感に襲われます。
学校はずっと共学で、仕事も男の方が多いです。「私は男の方が気が合うの」と言わんばかりに男とばかりいるのも……と、同性とも仲良くやっていたつもりでしたが、どこかでこじれてしまっていました。
よく中村うさぎさんの作品の中で、女子校の話や、女は潜在的にバイである、というような表現を見て、私にはこれが全くなく、私の感じている違和感はこれかもしれない、と思うようになりました。

女性ボーカルの歌も好きになれず、気がつくと男性の曲ばかり聞いています。中学生の頃、皆でモー娘。などを踊ったことも苦痛で仕方がなかったです。ヴィジュアル系バンドにハマっていて、バンドをやったりなどもしましたが、やはり男と女という垣根は超えれず、その世界に居場所を見つけることもありませんでした。理想の人はBUCK-TICKの櫻井敦司さんやペニシリンのHAKUEIさんなどで、背が高く美形で、男らしいところは男らしい、といったような人を見ると、のめり込んでしまいます。
本もそうで、今考えてみると、本当に唯一女性作家で読むのが中村うさぎさんの作品です。雑誌も、週刊プレイボーイの記事などをよく読んでいて(最近は電子版で読めて助かります)、男性誌を読むと、何で女性誌にはこのような探求心がないのだろう、といつも思います。

女が苦手だからといってボーイッシュにしたり女を捨てたいということはまったくなく、女である自分をファッションや(付き合ったりなど)男性とのコミュニケーションで楽しんだりしていて、女に生まれてよかったと思うことも多いです。
おそらく物凄い自意識過剰なのだと思います。
男と気が合うなら、男といればいいじゃん、無理れして女といることない、で済む悩みだと思うのですが、私は女の何を受け容れられないんだろう、女が持つバイ的な部分だとしたら、それがない女は一体何になるんだろう、とふと疑問に思うことがあり、今回相談しました

【中村うさぎの回答】

シレンさん、最初にこのメールを読んだ時には、あなたは典型的な「女嫌い」なのかなと思いました。いわゆる「ミソジニー」と呼ばれてるやつです。あなたの中に無自覚な「女性蔑視」があって、それゆえ女たちのコミュニケーションがくだらなく思えて我慢ならないのかな、と。
まぁ、それも少しはあるでしょう。
でも、文章を再度読み直して改めて感じたのは、あなたの「女嫌い」というよりも、「男への強いリスペクト」の念です。櫻井敦司さんやHAKUEIさんのくだりで、それを熱く感じました。あなたの中に「理想の男性像」があって、あなたはそれを神のごとく崇めている……そんな気がしたのです。違ってたらすみません。

 

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