ARTICLE 中村うさぎの人生相談

  • 「女嫌い」というよりも、「男への強いリスペクト」の念です。

  • 2017年01月06日 (金)

人生相談のお時間です。
今回のご相談者は「シレン」さんです。

 

【お名前】
シレンさん

【都道府県】
愛知県

【性別】
女性

【年齢】
30歳

【ジャンル】
人間関係

 

【メッセージ本文】
私は女でありながら、とにかく女性が苦手です。
と言うと、別に普通なのですが、同性と友人関係が長続きせず、深い関係を築けず困っています。なんとなく、女子の絆、お互いの何かを共有することで深まると言うか、うまく言えないのですが女子特有の距離感や共有するものが共有できないという感じです。
小さい頃から、女同士で手を繋いだり、一緒にトイレに行くような行動が無理で、今も女子会などが苦手で、とくに女子が集まって生理の話や恋愛の話をするのが無理で、その場ではネタを挟んで自分の話もしますが、後で嫌悪感に襲われます。
学校はずっと共学で、仕事も男の方が多いです。「私は男の方が気が合うの」と言わんばかりに男とばかりいるのも……と、同性とも仲良くやっていたつもりでしたが、どこかでこじれてしまっていました。
よく中村うさぎさんの作品の中で、女子校の話や、女は潜在的にバイである、というような表現を見て、私にはこれが全くなく、私の感じている違和感はこれかもしれない、と思うようになりました。

女性ボーカルの歌も好きになれず、気がつくと男性の曲ばかり聞いています。中学生の頃、皆でモー娘。などを踊ったことも苦痛で仕方がなかったです。ヴィジュアル系バンドにハマっていて、バンドをやったりなどもしましたが、やはり男と女という垣根は超えれず、その世界に居場所を見つけることもありませんでした。理想の人はBUCK-TICKの櫻井敦司さんやペニシリンのHAKUEIさんなどで、背が高く美形で、男らしいところは男らしい、といったような人を見ると、のめり込んでしまいます。
本もそうで、今考えてみると、本当に唯一女性作家で読むのが中村うさぎさんの作品です。雑誌も、週刊プレイボーイの記事などをよく読んでいて(最近は電子版で読めて助かります)、男性誌を読むと、何で女性誌にはこのような探求心がないのだろう、といつも思います。

女が苦手だからといってボーイッシュにしたり女を捨てたいということはまったくなく、女である自分をファッションや(付き合ったりなど)男性とのコミュニケーションで楽しんだりしていて、女に生まれてよかったと思うことも多いです。
おそらく物凄い自意識過剰なのだと思います。
男と気が合うなら、男といればいいじゃん、無理れして女といることない、で済む悩みだと思うのですが、私は女の何を受け容れられないんだろう、女が持つバイ的な部分だとしたら、それがない女は一体何になるんだろう、とふと疑問に思うことがあり、今回相談しました

【中村うさぎの回答】

シレンさん、最初にこのメールを読んだ時には、あなたは典型的な「女嫌い」なのかなと思いました。いわゆる「ミソジニー」と呼ばれてるやつです。あなたの中に無自覚な「女性蔑視」があって、それゆえ女たちのコミュニケーションがくだらなく思えて我慢ならないのかな、と。
まぁ、それも少しはあるでしょう。
でも、文章を再度読み直して改めて感じたのは、あなたの「女嫌い」というよりも、「男への強いリスペクト」の念です。櫻井敦司さんやHAKUEIさんのくだりで、それを熱く感じました。あなたの中に「理想の男性像」があって、あなたはそれを神のごとく崇めている……そんな気がしたのです。違ってたらすみません。

 

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