Monthly Archives: 3月 2015

中村うさぎの人生相談

欲しいものがあるのなら、それがどんな形のもので、何故それが欲しいと思うのかを、明確にしておきましょう。

私は基本的に異性愛者なので恋愛対象は男性なのですが、色恋抜きで仲良くなれるのはもっぱら女性とゲイに限られており、どうも男性とはさほど心が通じ合いません。
もしかしたら、男嫌いなのかもしれませんが、それというのも、彼らの中のある種の暴力性がとても苦手だからなんですね。

もちろん、すべての男性が暴力的だというわけではないけど、普段は穏やかな人でも何かのきっかけでいきなり態度が威嚇的になり、大声を出したり暴言吐いたりすると、「ああ、やっぱり男って……」と思ってしまいます。

まぁ、それを言うなら女だって、喧嘩になれば大声で怒鳴ったり暴言吐いたりするんですけど、男がそれをやると女は縮み上がってしまう。
それは、女がどうしても太刀打ちできない「暴力」の匂いに、女の脳が生理的な恐怖反応を引き起こすからです。
女は男の暴力の恐ろしさを大脳の旧皮質のレベルで知っているのだと思う。
たとえ男から暴力を受けた経験がなくても、生来的に知っていて、身体が反応してしまうのです。

レイプなんかもそういう例ですね。
死に物狂いで抵抗すればいいじゃないか」とか言う人もいますけど(こういうこと言うのは大抵男です)、レイプというきわめて暴力的な行為を目の前にして女の身体が恐怖ですくんでしまうことを、その人たちはわかってないのです。

と、長々と「男の暴力性」について語ってしまいましたが、このことを頭に刻み込んでから、今回のご相談に移りたいと思います。
相談者は「黒木ミホ」さんです。

【お名前】
黒木ミホさん

【都道府県】
東京都

【性別】
女性

【年齢】

【ジャンル】
恋愛

【相談内容】
「うさぎさん、くだらない恋愛相談ですが、もしも、読んで下さるお時間があれば、宜しくお願い致します。

私は、20代前半の女なのですが、今、一回り以上年上の既婚男性から執着されています。

元々、その人は、私が目指している職業の男性で、憧れの相手でした。
当初は独身だと思っており、年も離れていたため、尊敬の気持ちから仲良くなり始めたのですが、徐々に好きになってしまい、その後、相手が妻子持ちだとわかりました。
既婚者だとわかってからは、私は結婚願望が強いので、不倫関係にならないよう、別の独身男性を探すために、彼への連絡をやめました。

しかし、夏頃から、自分の非公開SNSに不正アクセスされて、毎日その人自身のページに私の発言に対する感想を書かれるなど、日々の習慣のように監視されています。
私が相手の監視に気付いたのは、不覚にも二ヶ月前です。

確かめるように、批判的な内容を書き込んでみたところ、まるで放火や呪いで殺されるのではないだろうか、と思うような、ぶち切れの内容が一週間に渡って書き続けられていました。
怖くなって焦った私が、「全部嘘で、憧れの相手だ」と書いた途端、収まりました。

相手は妻子もちのおじさんであるのに、意味がわかりません。
批判をすれば、逆上され、肯定をすれば、勘違いされるため、無言のままホテルのルームキーの写真を載せるなど、別の男の影をちらつかせて終わりにさせようとしました。
すると、どうやら逆効果だったようで、前にも増して執着されています。

もうどうすればいいか、わかりません。
その人のことは魅力的だと思っていましたが、既婚者とは交際したくありません。

奥さんと別れる気もないようなのに、自分が執着される意味がわかりません。
その人が、私に執着する理由があるとすれば、若さか、まだ処女であるということがばれて、それ狙いか、そのどちらかです。
どちらにしても、気持ち悪いです。

幸せになりたいだけなのに、なんで私はこうなってしまうのでしょうか。

私は、この男に処女を捧げたら、結婚できるのでしょうか。
もう、監視癖や異常な行動が気持ち悪いので、結婚してもらえないなら、この男には関わりたくありません。

うさぎさんは、既婚者の男が、一回り以上年下の女を脅したり、半年も執着する男心について、解析できますでしょうか?

私はこの人を信じていいのでしょうか?

そもそも私が悪かったのでしょうか?

よろしければ、ご意見を頂戴したいです。
御願い致します。」

 

【中村うさぎの回答】

ミホさん、その男は危ないです。

絶対に近づいてはいけません。

こんなやつに処女を捧げるなんて、とんでもないです。
そんなことしたら、ますますこいつは調子に乗って、もっとひどいことになりますよ。
そして、あなたの人生は、この男のせいで狂ってしまうでしょう。

何しろ、こいつのやってることはストーカーじゃないですか。
あなたを常に監視して、あなたが批判するとブチキレて威嚇する。
非常に暴力的な男です。
現実にDVである可能性も高いし、そうでないとしても暴力的なメンタリティの持ち主であることは確かです。

 

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うさぎ的日常日記

うちの母は料理いまいちだったけど、フレンチトーストは普通に美味しかったわ。

この日常ブログって食べ物ネタが圧倒的に多いわね。
どんだけ食ってんだって話だよ。
で、今日も食い物ネタよ!

こないだ、ホテルオークラの「オーキッドルーム」のアフタヌーンティーに行ってきましたー。
喫煙席少ないから、わざわざ席予約して行ったわ。
オーダーしたのは、アフタヌーンティーセットと、ここの名物フレンチトーストと、オランダのパンケーキ「パネクーケン」
まずはアフタヌーンティーセット。

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フィンガーサンドイッチはサーモン、ローストビーフ、キュウリという正統派英国スタイル。
それに、スコーンとブラウニー、そして最上段は小さなケーキとタルトとマカロン。
濃いめの紅茶にたっぷりミルク入れて、至福のひとときよ!

 

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「自分の幸せとは何か」ということをしっかりと考え、自分を幸せにするために生きようとすることが大切だと思うのです。

さて、今回は男性にはあまり関心のないテーマかもしれません。
でもとてもよく似たお悩みを二人の女性からいただいたので、「ああ、この問題は相変わらず女にとって重要なテーマなんだなぁ」と実感し、取り上げることにしました。

最初に断わっておきますが、私はこの問題について他人にアドバイスなんかする資格があるのかどうか、我ながら疑問です。
何故なら、このお二方のお悩みはどちらも「女は子を産むべきか」という問題で、子どもを産んだこともなければ産みたいと考えたことすらない私は当然ながら「産まなくてもいいっしょ」と思っているわけですが、そんな自分の考え方を他人に押しつけていいのか、と自問自答してしまうからです。

しかしまぁ、とりあえずお二方のお悩みを聞いてみましょう。

まずは「うさぎさん大好き」さん(←ありがたいですけど大いに照れるPNですね)のお悩みです。

 

【お名前】
うさぎさん大好きさん

【都道府県】
北海道

【性別】 
女性

【年齢】
31歳

【ジャンル】
その他

【相談内容】
こんにちは。うさぎさんのことは、買い物依存症時代のエッセイからずっと好きです。今年出版された『死からの生還』『女子漂流』なども、もう何度も読み返しています。

今回は、年を取るのが怖い!その時子供がいなかったら…という悩みがありメールをさせて頂きました。

私は今、アラサーになり、既婚ですが子供はいません(ピルでしっかり避妊しています。夫も子供は欲しくないらしいです)。DINKSで、仕事は、とても充実しています。が・・・将来、もし子供ができなかったら、コンプレックスになるのではないか、ということが不安なんです。

私には姉がおりますが、一般職で、子供を2人育てています。親戚一同、姉の子供をベタベタ可愛がります(確かに、子供はとっても可愛いですし、私もよく、その甥っ子にプレゼントをしたりと、ベタボレ状態です)。

が、そういう周りの「こども愛」を見ていると、「いくら仕事を頑張っても、子供を産んでいないと、親孝行できていないのだろうか」という気持ちになります。

周りを見ると、バリバリ仕事をしながら子育てもしているママが多く、羨ましい。なにもかも手に入れている感じがします。勝手な妬みであるとは思うのですが・・・。

でも、今の私は、仕事が面白く、ハッキリ言って、子育てで仕事が以前のようにできなくなるのは嫌。わがままなんです。

こんなモヤモヤは、どうすれば解消されるのか、ご相談したくメールをさせて頂きました。

女って、どこかで「子供を産んでなんぼ」の価値観に縛られて、苦しい存在だなぁと思います。この時ばかりは、男が羨ましくなります。仕事だけ頑張って、褒められ、許されるんですから・・・。

まとまりがなく、申し訳ありません。
ご回答くださると、嬉しいです。

 

【中村うさぎの回答】

「うさぎさん大好き」さん(どうも書いてて照れるので、以降は「大好き」さんと呼びます)、私もあなたとほとんど同じ理由(仕事の邪魔をされたくない)で子どもを産まなかったので、お気持ちはとてもよくわかります。
しかも私は、あなたと違って、そのことを親不孝だともわがままだとも思ってません。

もともと図々しい女なので、自分が欲しくないものを手に入れなくてはならない義務などないと考えるし、たとえ親が私に「子どもを産んで欲しい」と願っていたとしても私がその期待に応える必要など全然感じません。

私の人生は私にしか生きられないので、私は自分の思うように生きたい。
そうじゃないと後悔する気がするのです。
私がもし己の人生に何らかの義務を負っているとすれば、それは「自分を幸せにすること」です。
そして、「自分を幸せにする」には、「自分の幸せとは何か」を真剣に考えなくちゃいけない。

私の幸せとは何なのか……それが「子どもを産むこと」であるのなら、私は喜んで子どもを産む。
だけど、それが自分の望みではなく、他人の望みだとしたら、私は他人の要望に応えて自分の本当に欲しいもの(たとえば仕事とか)を諦める気はない。

この「自分の人生は自分のものである」という考え方を、人によっては「わがまま」と感じるかもしれません。
自分勝手」とか「エゴイスト」とかいう誹りも受けるでしょう。

でも、わがままで何が悪いのかな。

 

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オウムじゃねーよ、おかんだよ!確かに人間離れしてたわよ、あのクシャミは。

最近は暖かくなってきたね。

花粉症の人はそろそろ大変な時期ね。
あたしは今のところ、花粉症は発症してないみたい。
だから花粉症のきもちがいまいちわかんないんだけど、みんな苦しそうで同情するわ。

そういえば、うちの母もずいぶん昔から花粉症だった。
あたしが高校生くらいの頃ね。

 

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他人はあなたが思っているほど、あなたに期待はしてないものですよ。

このコーナーに寄せられるお悩みには、ある種の傾向が見られるような気がします。
前回の「よしこ」さんも、その前の「泉」さんも、その形態こそ違え、ともに「承認欲求」の悩みでした。

そして今回の「平祐」さんも、また別のタイプではありますが、やはり「承認欲求」の問題です。
人間は他者との関係性の中で「私」を形作っていく生き物なので、他者の視線にまったく無頓着ではいられません。
「よしこ」さんは他者と自分を引き比べては劣等感や嫉妬に苦しみ、泉さんは他者から羨望されたいという自己顕示欲に悩んでいました。

では、今回の「平祐」さんは、どんな「承認」の悩みを抱えているのでしょう?
さっそく読んでみましょう・

 

【お名前】
平祐さん

【都道府県】
東京都

【性別】 
男性

【年齢】
38歳

【ジャンル】
人間関係

【相談内容】
うさぎさん、はじめまして。

僕の悩みは、他人の評価が気になりすぎて、萎縮してしまうことです。

たとえば、人との会話で偶然面白いことを言えて「僕さん面白い!」とか言われると、
その評価を落としたくなくて次からはギャグが言いにくくなります。
でも本当は自分がつまらないことなんて百も承知してるので、「次またトライしたら失敗するかも」
「そしたら評価を落としてしまう」「評価を落とすくらいなら大人しくしていよう」なんて思ってしまうのです。
こうやって大人しく、無難にしていれば確かに一気に評価は落ちないかも知れませんが、段々存在感が薄くなっていきます。
こういう傾向は会話以外でも多々あります。
他人の評価を物凄く求めている、そしていざ運良く評価されると、めちゃくちゃ嬉しい一方で、「この評価を維持させたい」
「でも難しそう」「なら大人しく、無難にしとくか」なんて考えてしまいます。
そして、トライ出来なくなってしまうんです。

だから、嫌われたり、否定されるのが怖い一方でいざそうなると安心している自分がいます。
もう失うものがないので、気楽に思い切ったことができる。
そういう状態で行動すると割と上手くいくことが多いので、そこで評価され、そうするとまた失うのが怖くなり
萎縮してしまう、、この繰り返しです。

好かれようと嫌われようと、評価されようと貶されようと、どんどん自分を表現して生きたい。
人の評価なんて気にせずに、いや、気にしたとしても、どんどん前に打って出るには、どうしたらいいでしょうか?
うさぎさんの意見を伺いたいです。

 

【中村うさぎの回答】

平祐さん、あなたがラクになるためには、もっと図々しくならなくてはなりません。
あなたは他人の期待に応えたい。
何か面白いことを言ってウケたら、次からもずっと「面白い人」でなければならない、と思ってしまうわけですね。

でも、どう考えても、それは無理だ。

いつもいつも面白い人なんて、この世にはいないからです。
それはあなたもわかってて、だから「一度受けた評価を落とさないためにおとなしくしていよう」なんて萎縮してしまう。

しかしですね、他人はあなたが思っているほど、あなたに期待はしてないものですよ。

たまたまあなたを「面白い」と思ってくれたとしても、いつまでもそれを覚えてくれてるわけでもないし、「いつも面白いこと言って欲しい」などという期待も抱いてはいないでしょう。

 

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