Monthly Archives: 2月 2015

中村うさぎの人生相談

このような過剰な「承認欲求」を抱えて生きていくことは、必ずしも悪いことばかりではありません。

先日、友人の伏見憲明さんと新宿のカフェで長いお喋りをしました。
彼は今、新宿二丁目で「A Day in the Life」というゲイバーをやっているのだけど、そこに来るお客さんたちの話を聞きながら、「自己顕示欲」や「承認欲求」について考えさせられました。

私自身の人生も、この「自己顕示欲」と「承認欲求」に突き動かされてきました。
買い物依存症もホスト狂いも美容整形も、すべてはこの「承認欲求」によるものです。

私は誰かに認められたかった。
この広い世界の片隅で、誰にも必要とされず、ひっそりと消えていくのがイヤだったんです。
私を知って欲しい、私を理解して欲しい、できれば私を愛して欲しいと叫びながら、今日まで生きてきました。

その姿はとても見苦しく、そんな私を嫌悪する人たちもたくさんいましたが、中には同じ「自意識の病」を抱えていて共感してくれる人たちもいました。
その人たちは、私の言葉で救われたと言ってくれました。
そして私もまた、その人たちにずいぶんと救われてきたのです。
私はこの世界にようやく心を繋げる相手を見つけることができたのでした。

だから私は、自分の愚かしくみっともない人生を通して考えたことを、これからもこうして自分の言葉に乗せて送り届けたいと思います。
それが迷惑だと感じる方は、耳をふさいでいただいて結構です。

では、今回も「人生相談」を始めましょう。
「泉」さんというゲイの方から寄せられた「承認欲求」の悩みです。
彼は私にとてもよく似ている。
もしかしたら、あなたにも似ているかもしれない。
もし「似ている」と感じたとしたら、あなたも私や彼と同じ「」を抱える同胞です。
こういう人は、生きるのが辛い。
だけど、なんとか生き抜いて欲しいと思うのです。

 

【お名前】
泉さん

【都道府県】
東京都

【性別】 
男性

【年齢】
19歳

【ジャンル】
その他

【相談内容】
自己顕示欲・野心が強い自分にアドバイスをください。

(東京出身東京育ち、19歳、服飾系専門学生、ゲイ)

私は昔から人一倍、自己顕示欲や自己承認欲、野心が強いです。「自分を認めて欲しい、自分を愛して欲しい、自分を必要としてほしい、自分を羨んでほしい」とずっと思い続けています。それは家族に対しても、友人や好きな人に対しても、はたまた自分と深くかかわりのない人にもそのように思ってほしいと、考えてしまいます。

思春期に自分が同性愛者であると自覚し、東京在住だったこともあり、高校時代から新宿二丁目に行ったり、ゲイアプリで気になる人に会ったりと、ゲイコミュニティに参加するようになったのですが、元々美形ではないので、メンクイな私はそこでもこの欲求は満たされることはありませんでした。「もっとハンサムで素敵な男に愛されたい」「身体ではなく自分という存在に欲情してほしい」という欲求が邪魔をして、恋愛に関しての欲求が満たされることはありません。今では恋愛に関して諦めさえついてしまっています。自分の容姿では自分が求めるような人には愛されないことに気付き、性欲は自分自身で解消し、「愛されたい」という欲求には目を背けています。けれどもいつかは、うさぎさんのように美容整形をし、作りものの顔だとしても容姿重視のゲイコミュニティで上手くやってみたいと思ったり、恥かしながら野心も持っています。

また、通っている学校でも、「もっといい服を創って認められたい」「自分を天性の才能だと羨んでほしい」と思っています。家で誰よりも時間をかけて課題をやりながらも、努力していることも知られたくなく、何もしなくても出来るような顔をしてしまいます。
周りからそれなりに認めてもらうこともありますが、この欲求が満たされることはなく、「もっとほしい、もっとほしい」と求めるものが大きくなるばかりです。

私は恋愛や学業だけでなく、いかなることに関しても抑えることのできないこの欲求に自分自身で向き合う毎日を過ごしながら、
この欲求は具体的に何を求めていて、私にとって何がゴールで、何が欲しいのか、、、自分でさえも理解できません。

うさぎさんの本に出会えてからは、共感させていただくことも多く、とても救われています。しかし、ふとした時に「これから先も満たされることはあるのだろうか」、と途方に暮れてしまう時もあります。「自分の身の程を知り、素直に生きられたら、楽なのだろうか」と思ってしまします。

よければこんな私にアドバイスをください。

 

【中村うさぎの回答】

泉さん、大変残念なことを最初に言っておきます。

あなたを苦しませている「承認欲求」から、あなたはおそらく一生逃れられません。

それは我々の魂に深く深く根を食いこませていて、ちょっとやそっとでは引っこ抜けない状態になっているからです。
恋愛やセックスで一時的に満たされることはあるでしょうが、そんなものが長続きしないことは、あなたも充分にわかってると思います。

この過剰な「承認欲求」が、いったいいつから我々の魂に根付いたのか、それは誰にもわかりません。
生来のものかもしれないし、生育環境ゆえかもしれない。

精神科医は母子関係にその原因があると言ったりしますが、そればかりではないでしょう。
母親の愛情不足」と言ってしまえば簡単ですが、何をもって「愛情不足」と断じるのかが、まず疑問です。
母親が精一杯の愛を注いだつもりでも、生まれつき「承認欲求」の激しい子どもにとっては「充分じゃない」と感じられるでしょうし、その子の言い分を真に受けて「愛情不足」と断じてしまう精神科医は、じつは本人が「母性」に過剰な期待と幻想を抱いていたりするので、私はあまり信頼していません。

 

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黒船のアレクと奥さんののんちゃんとも番組降板して久々にココでご飯食べたの。

夫の家族が香港に帰っていった。
ちょっと寂しいわ。
というわけで、最後の晩餐。
場所は西新宿のパークハイアットホテルの和食レストラン「」だよ!

あたしはここの料理が大好き!

こないだも、黒船のアレクと奥さんののんちゃんと、ここでご飯食べたの。
番組降板して久々に会う二人。

楽しかったわ!

んで、夫の家族との最後の晩餐メニューをご紹介。
まずは前菜の胡麻豆腐。
S__5808156

それから前菜9品盛り合わせ。
S__5808158

 

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「中村直腸の説話」次月のマンスリーゲストは谷渕真紀さんです。

先日、新宿三丁目リズムバーさんにて、次月分「中村直腸の説話」の動画収録を行いました。

新宿三丁目クラフトビール
リズムバー
(null)

次月のマンスリーゲストは腐女子の谷渕真紀さんです。

中村直腸先生とのお付き合いも長いという谷渕さんを終始ハイテンションの中村直腸先生がいじり倒し、周囲のスタッフを巻き込み笑いの絶えない収録となりました。

今では定期的に「動く中村」を観れるのは当メルマガだけ?

ぜひ!この機会にご登録ください。

中村うさぎの人生相談

あなたの「どん底」は、何に比べての「どん底」なのか。 他人に比べて?自分の理想に比べて?どこまでいっても人生は「どん底」です。

「人生相談」というのは面白いものです。

じつは私は他人の相談に乗ってる場合ではないほど精神的にも経済的にも追い詰められているのですが、こうやって役に立たないながらも皆さんの相談事に真剣に答えようと知恵を振り絞っているうちに、不思議と自分の悩み事にも答えが出てくる気がするのです。

しかも、自分の悩みとはまったくかけ離れているように見える悩みでも、答えを探しているうちにいつの間にか自分への回答に繋がっていく。

いや、本当に不思議です。

そういうわけで、今回は「メルモ」さんからのご相談です。
メルモさんと私との間に、共通点はほとんどありません。
あるとしたら「人生どん底」と感じていることくらいでしょうか。

しかし、当然ながら、その「どん底」の形態も全然違います。
さて、私は、こんなにも自分と違うメルモさんのご相談に答えながら、自分の悩みの解決方法も見い出せるでしょうか?

【お名前】
メルモさん

【都道府県】
大阪府

【性別】 
女性

【年齢】
45歳

【ジャンル】
人間関係

【相談内容】
こんばんわ。メルマガ登録させていただきました。みんな悩んで生きてるとゆう事がわかります。私の悩みも聞いて下さい。長文になるかも分かりませんがよろしくお願いいたします。私は3人兄弟の次女で姉と弟が一人います。昔から家庭は夫婦仲も親子間もギスギスとした関係でした。父は全く仕事をしな人であり子供にも関心がない人でしたので母が
家庭を支配し怒鳴り散らしてた記憶しかありません。母もお金もなく必死だったのだと思います。
今から40年ぐらい前に姉はまだ日本に拒食症とゆう病気もしれわたってない時代に拒食症になり体重は小学校の5年生で16㎏になり一年間大学病院で入院してました。退院してからは今度、何故なのか姉は私に大量の食事をする事を強要されました。
親は見てみぬふりです。昔の話をしても仕方ないし親も若かったので私弟夫婦は借金1000万円也を親に援助してもらった上で、更に借金を重ねて逃亡。もう浮浪者ルンペンにでもなってるのかと思います。
今も昔も離散一家です。どうしようもないです。また私は結婚し絶対に自分が育った家のような家庭は作らないと頑張ってきましたが不妊治療のかいもなく、子供は出来ませんでした。3年前に義理の父が糖尿病と認知症になり誰も見る人がなく2年間介護しましたが今度は仕事が見つかりません。45歳の年齢では面接までも
たどり着けません。なんだかもう人生がどんぞこ過ぎて、生きてるのも
イヤになります。

 

【中村うさぎの回答】

うーむ、なるほど。

メルモさんの「人生どん底」感は、どうやら主に「家族関係」に起因しているようですね、
小学生の頃にお姉さんが罹った「拒食症」も、おそらくはそれが原因でしょう。
摂食障害」は全部が全部とは言いませんが、家族関係に原因があるケースが多いからです。

ただ、メルモさんが書かれている情報があまりにも少ないので、読んでているうちに次々と疑問が湧いてきます。

お姉さんの摂食障害は治ったのか?
そして、お姉さんは今、どのような暮らしをしているのか?

弟さんの借金の理由は何なのか?
事業の失敗なのか浪費癖なのか、それによって彼の人物像も変わってきます。

さらに、お父さんとお母さんは、今どうしているのか?
「お金がない」ご両親が、弟さんにどうやって1000万円も援助できたのか?

不妊治療の甲斐なく子どもはできなかったようだが、夫婦関係はどうなのか?
仕事が見つからないとのことだが、今までは働いてなかったのか?
義父の介護のためにしばらく専業主婦だったとしたら、そんなに焦って仕事を探す必要もなく、しばらく夫に養ってもらったらどうだろうか?
それとも、それができない何らかの理由があるのだろうか(夫と離婚しそうとか、夫がリストラされたとか)?

と、まぁ、ざっとこれくらいの疑問が湧いてくるわけです。

 

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タバコは外せないわ?!世界の終わりの日まで吸い続けるわよ!

先週から今週にかけて、夫の家族が香港から来てるの。

で、彼らが日本に来たら必ず行くのが、新宿の「はなもんや」という焼肉屋さん。
何年か前に連れてったらすっかり気にいってくれて、今やここの焼肉を食べるのを楽しみにしてくれてるの。

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もちろん、今回も行きましたよー!
写真は「赤身の盛り合わせ
いろんな部位が食べれて楽しい!

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こちらはレバーと丸腸。
内臓も美味しいよね!

 

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