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中村うさぎの人生相談

親も人間である以上、未熟で欠点だらけなのは当たり前。

最近、不眠気味の中村です。

一日に3~4時間しか眠れません。

以前は8時間くらい寝ていたのに、困ったもんです。

隣でグースカ寝ている夫が羨ましくて仕方ありません。

 

そんなわけで、「人生相談」です。

不眠で頭がボーっとしている私の回答なんて、

あまりアテにはなりませんが、お暇つぶしにでも。

 

【コメント登録日】
2013年11月05日 15:31

【相談者】
アッコin金沢(45)看護師さん

【相談内容】
ついでに、ご相談です。
最近、実母の 言う事が イチイチ 腹立つ私について。どうしてでしょうか?
随分 昔の事とか
思い出して (弟を あからさまに 贔屓していたとか、「アンタは、姑に似て 顔がデカイ」って言われたとか… 焦げて失敗したハンバーグを 私に出したとか… )
実母と 会う度に、イラッと します。
(-_-;)
私も いい歳なのに(45)感情を 上手く コントロール出来ないのです。
今だに ちょいちょい 私を イラッと させる実母に、どう対処すれざ よいでしょうか?

 

【中村うさぎの回答】

では、さっそく回答しますね。

 

アッコさん、親なんてたいがいイラッとする存在なのですよ。

 

私もたまに実家に顔を出したりしますが、3日もいると親にイラッとし始めて、早々に東京に逃げ帰ります(笑)。

 

まぁ、世の中には「親が大好き!」という人たちもいるので、私たちのような人間は少数派なのかもしれませんが、でも、無理に親を好きである必要もないじゃありませんか。

 

職場や友人との人間関係と一緒で、親との関係も、所詮は相性の問題です。

 

確かに親とは血が繋がってますが、他人と言う意味では他の人と変わりません。

親は、我々が人生で体験する「最初の他者」なのですよ。

そして他者というのは、基本的に、「」を理解してくれない異質な存在なのです。

だから、親があなたを理解してくれなかったり傷つけたりしても、それは親の責任でもあなたの責任でもなく、そもそも「他者」とはそういうものだ、と、考えるしかありません。

 

親は神様じゃありません。

私やあなたと同様、ただの未熟な人間です。

だから欠点だらけなのは当たり前です。

」という単なる人間に必要以上に期待したりするから、失望させられるのです。

 

私は思春期くらいまで、父親とは本当に仲が悪かった。

はっきり言って、大嫌いでした。

向こうも私のことを嫌いだったと思います。

で、しょっちゅうぶつかっては、時々殴られたりもしてました。

 

でもね、30代くらいになった頃、ふと気づいたのです。

子どもの頃にあんなに嫌いだった父親の年齢を、いつの間にか、自分自身が追い越してしまっていることに。
そして、今の自分がいい歳をして欠点だらけの人間である以上、当時の父親も欠点だらけの若造に過ぎなかったのであり、それ考えたらお互い様じゃん、と。

 

30代、40代になって、自分が悟りでも開いて欠点のない人間に成長しているならともかく、そんなご立派な人間なんてこの世にはほとんど存在しません。

ということは、親だって一個の未熟な人間に過ぎないのは当然で、そんなの責めても仕方ないじゃん。

親だから子どもに対して完璧な存在であらねばならぬというのなら、この世のほぼ98%(←いい加減な数字)の人間に「親になる資格」なんかありません。

 

親も人間である以上、未熟で欠点だらけなのは当たり前。

 

そう気づいた時に、私は初めて、親を許すことができました。

それまでは、「あんなことで殴られた」とか「あんなことを言われて傷ついた」とか、父親が私にしてきた所業を思い出しては悔しさと怒りで震えるような日々だったのです。

だけど、「親を許す」ことで、私はようやく彼を自分と対等な視点から見ることができるようになり、彼の支配から脱却することができました。

 

そう、親を憎んでいるうちは、あなたと親との関係は対等ではないのですよ。

 

それはつまり、あなたが未だに親に支配されているということに他ならないのです。

親から精神的に自立するには、まず「親を許す」ことから始まるべきではないかと私は思っています。

もちろん、ひどい虐待をしたとか、そういう親の場合は別ですけどね。

そりゃ許せなくて当然ですし、許してやる必要もありません。

そんな親なら、さっさと縁を切るべきです。

 

少し前に「毒親」というう言葉が流行り、私もそういう「毒親告発イベント」に行ってみたり「毒親糾弾本」などを読んだりしてみました。

そして驚いたのは、そういうイベントをやったり本を書いたりする人たちの言い分が「親は私を理解してくれなかった」という、私に言わせれば子どもみたいに幼稚な内容だったことです。

 

しつこいようですが、親なんてものは他者のひとりであり、一個の未熟な人間に過ぎないのだから、子どもを理解できないのなんて当たり前だし、世の中はそんな親ばかりです。

いい歳して、そんなことをブーブー言ってるおまえは、そんじゃどんだけ完璧な人間なんだよ、と言いたくなりました。

 

彼女たちだって子どもを産んでみれば、自分が完璧な母親になれないことにおのずと気づくはずです。

気づかなかったら、それは単なるバカです。

おそらく、自分の親と同等かそれ以上に未熟で愚かな人間ですよ。

バカは死ななきゃ治らないと言うので、そういう人たちは死ぬまで己に無自覚で愚鈍な人生を歩むしかありません。

 

アッコさん、母親にイラッとする自分に罪悪感を抱く必要はありませんが、それと同時に、「あの女も欠点だらけのただの人間に過ぎないのだから仕方ない」と、母親を許してあげてください。

そうすれば、少しは気がラクになって、いちいち母親に腹を立てることも少なるのではないかと思います。

 

私も最近は、親との関係をずいぶんと修復できました。

相変わらず実家に帰るとイラッとくることはありますが、それでも昔みたいに怒りや恨みを募らせるようなことは一切ありません。

あーあ、相変わらずだな、この人たちも」と微笑ましくさえ思い、欠点だらけだけど好きな友人と縁を切らないように、彼らとも付き合いを続けていられます。

短所もあれば長所もある……それが人間というものだからです。

 

いちいち他人の欠点を許さず糾弾ばかりしてたら、友達いなくなっちゃうでしょ?

 

まぁイヤな部分はあるけど愛すべき点もあるしな、という感覚を他人に対して持たないと、どんな人間関係も築けません。

親も友人と一緒です。

お節介だったり、無神経な発言をしたり、あなたを傷つけるような言動をしたりしますが、それは他人なんだから仕方ないことです。

 

それでも許せないなら、そりゃよほど相性が悪いのだから、縁を切っちゃえばいいのです。

 

どうしても好きになれない人間とは友達にもなれませんからね。

 

私にも、一時期は仲良かったけど途中から嫌いになった友人が何人かいて、そういう人たちとは今ではまったく交流をしてません。

親も同様に、あまりにもストレスが溜まるようなら、交流を断てばいいだけです。

 

以上が、睡眠不足で頭がボーっとしている中村からの精一杯のアドバイスです。

お役に立たなかったらごめんなさい。

うさぎ的日常日記

5時に夢中に復帰しましたー!

2月5日の水曜日から、「5時に夢中!」に復帰しましたー!

 

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みんなで記念撮影!

美保さんのウサ耳で、内藤さんの顔が隠れてるw

衣装は新宿サブナードの「オッズオネスト」で買ったヤツ

 

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チェックのジャケットがかわいいでしょ

赤いフリフリのスカートは、別のジャケットとのセットアップ。

いろいろ組み合わせられて便利だ。

あとは、ジャケットとワンピースのセットアップ、ジャケット1着とワンピース1着、コルセットタイプのベルトなどを買いました。

久しぶりの買い物で、大満足よ!

ここのお店の服は、デザインが凝ってて好き!

 

車椅子じゃなかったら、もっとお洒落があできるのになー

 

ヒールも履けるしね

あ、そうそう!

ネットで千鳥柄のコートを買ったので、それに合わせて千鳥柄の靴も買った。

ちょっとヒールがあるヤツ。

 

これを履く頃には、自分の足で歩けるようになりたいなー

 

無理かな

でも、頑張る!

お洒落のために!

昨日から大雪で、また寒くなっちゃったけど、春頃にはヒールのパンプスで街を歩きたい。

 

それまでには、車椅子を卒業しなきゃ!

 

また今度の水曜日の衣装の写真アップするねー!

ではでは!

中村うさぎの人生相談

働く事が向いてない人間って、いるもんです

やってまいりました、人生相談のお時間です。

 

今回は「みき」さんからのご相談です。

 

何度もしつこくて恐縮ですが、この「人生相談」は将来的に電子書籍化される予定です。「電子書籍なんかに自分の人生相談を載せられたくない!」とか「もし載るのなら名前変えて欲しい」という方は、その旨、ここのサイトにご連絡くださいね。

よろしくお願いいたします。

 

では、人生相談を始めましょう。

 

【コメント登録日】
2013年11月06日 03:25

【相談者】
みきさん

【相談内容】
今、39歳です。
実は、10年ぐらいずっと無職です。
生きてる事が恥ずかしくて、人と会えず、友人関係も全て断ち切ってしまいました。
原因は色々あり過ぎるのですが、1番は対人関係です。
昔から人とうまく付き合えず、疎外感を感じて生きてきました。
新しい職場が怖くて、求人票を見るのも恐怖で前に進めません。
何かしなきゃいけない焦りばかりで、相談できる人もいなくて、どうしたら良いのか毎日気が狂いそうです。

 

【中村うさぎの回答】

「生きてることが恥ずかしい」という言葉に衝撃を受けました。

 

対人関係の悩みは多くの方々が抱えてらっしゃることと思いますが(ていうか、職場の悩みの大半は対人関係でしょう)、どうやらそういうのとは深刻さの度合いが桁違いのようですね。

10年も無職で、求人票を見るのも恐怖だとは、さぞかし辛い想いなのだろうとお察しします。

想像するだに地獄の苦しみなんでしょう。

 

でもね、ひとつだけ言わせてくださいね。

ちょっと耳が痛いかもしれませんので、ここから先は嫌なら読まなくて結構です。

 

あなたのご相談を読んでいて、じつに不思議なのは、10年も無職で、どうやって生活していらっしゃるのか、ということです。

普通はとっくにホームレスか生活保護になってる状況です。

が、文中からは、そんな様子は伺えません。ホームレスならネットで人生相談なんてできないでしょうしね。

 

たとえばご実家暮らしでご両親が面倒を見てくれているとか、そういう状況なのでしょうか?

もし生活に困っていないのなら、そんなに苦しい想いまでして働く必要があるのかと、私などは考えてしまいます。

 

ずいぶんと脳天気な返答だと思われるでしょうね。

でもね、もしもあなたが「働かなきゃ一人前じゃない」とか「自立してなきゃ人間として最低だ」などと自分を責めて追い詰めてるんだとしたら、事態はますます袋小路に迷い込んで悪化し、だから一歩も前に進めなくなるんだと思うんですよ。

 

もしかするとあなたは「対人恐怖」とか、そういう病なのかもしれません。

だとしたら、無理やり職場に身を置いてストレスを溜めると、もっと悪化する可能性だってあります。

今だってじゅうぶんに苦しいんでしょう? 

これ以上、苦しむ必要なんてないじゃありませんか。

そんなに自分を苛めてはいけません。

 

あなたの経済状況がよくわからないので、もちろん、滅多なことは申し上げられません。

もしかしてすごく経済的にも行き詰ってらっしゃるのかもしれませんね。

だとしたら、職場探しの前に役所で生活保護の相談をするのが先決でしょう。

 

人は生活のために働くのです。

私だってそうです。

働かなくても暮らしていけるなら、文章なんか一生書かないかもしれません。

でも、それじゃ食っていけないから、仕方なく、凡庸な脳ミソを振り絞って必死で物書き稼業を続けているわけです。

 

でも、養ってくれる人がいるとか、莫大な貯金があるとか、経済的な問題が特にないのなら、このまま無理して働かずにブラブラしててもいいんじゃないかな? 

だって、明らかにあなたは、複雑な対人関係の中で働くのが向いてないんだもの。

向いてないことを無理してやる必要なんかありませんよ。

たった一度のあなたの人生を、辛いことや苦しいことに費やす必要はありません。

 

働くのが辛いから働かない」なんて言うと、世間の人は「甘えんじゃねーよ」などとあなたに言うかもしれません。

でも、そんなの、ちっとも恥ずかしいことじゃありません。

 

働くのが向いてない人間って、いるもんですよ。

 

たとえばうちの夫なんか、そういうタイプです。

だから私が養ってるんです。

それでいいじゃありませんか。

人は自分に向いている生き方を選択すればいいんです。

赤の他人が何と言おうと、関係ありません。

 

もう少し、自分を許してあげてください。

これ以上、自分を責めたり追い詰めたりしないであげてください。

そうしないと、あなたはもっともっと生きるのが苦しくなりますよ。

 

そして、たとえば働けない理由が心の病ならばセラピーを受けるとか、そのせいで経済的に困窮して生活保護を受ける必要があるなら役所に相談するとか、もっと専門家を活用する道を模索してください。

 

私に言えることは以上かな。

お役に立たなかったら、ごめんなさい。

中村うさぎの人生相談

そう、はっきり言って、あなたは飽きられているのですよ。

恒例の人生相談第5弾をお送りします。

が、その前にお伝えしたいことが、ひとつあります。

じつはこの「人生相談」を電子書籍化したいという打診をいただきました。

了承するつもりですので、今後、「自分の人生相談を電子書籍なんかで公表されたくない」とお思いの方は、その旨、お書き添えください。

これまでに相談された方たちも、同様です。

よろしくお願いいたします。

では、さっそく人生相談に入りましょう。

たっつん」さんからのご相談です。

【コメント登録日】
2013年11月06日 00:53

【相談者】
つったんさん

【相談内容】
31歳、非モテゲイです。
付き合い始めて半年で、自分にとって初めて付き合う彼氏ががいます。
遠距離なんで1.2ヶ月に一度会えればいい感じ。
相手がドライということは分かっていて、自分自身も付き合うまではドライだと思っていたので、それくらいで十分だと想像して ました。会う回数はどうでもいいんですけど、まだ数ヶ月なのに、せっかく向こうに会いに行っても、仕事で会えないとか、会っ てもメシだけ食べて解散とか。付き合ってるのかどうなのか分からないモヤモヤがあります。会えないと良いながら定時で帰って るのを知ると、「付き合ってるなら、仕事忙しくても顔くらい見たいとかねーのかよ」とイライラします。付き合うまでは向こう が積極的だったのに、付き合った途端に何もなくなったこともどこかでひっかかってるのかもしれません。単刀直入に聞けばいい のかもしれないですけど、その一歩が難しいです。中高生みたいな恋愛初期のぐずぐずを31のオッサンが実践してる感じです。

ウサギさんの一言で、鈍器でぶん殴ってください

【中村うさぎの回答】

よろしい。ぶん殴りましょう(笑)。

まず、単刀直入に聞くのは意味ないと思います。

おそらく相手は本音なんか言わないでしょう。

そこで本音を言えるような人なら、とっくにあなたに「飽きた」と言っているに違いないからです。

そう、はっきり言って、あなたは飽きられているのですよ。

少なくとも最初の頃の情熱がだいぶ薄くなっているのは確かのようです。

でもね、そこで諦める必要があるかというと、それは違うと思います。

恋愛の情熱なんて、どうせ3ヶ月くらいしか続きません。

半年も付き合ってれば飽きられて当然なんです、どんな恋愛もね。
 

ですが、たとえ恋愛の情熱が薄れても、パートナーとしての絆を築いていくことはできると思います。

いつまでもラブラブでなきゃイヤ!」とあなたが思うのなら別ですが、「こいつになら何でも本音を話せるな」とか「こいつなら俺のことを理解してくれるな」と思わるような関係に持っていくと、二人の付き合いは長続きする可能性が高くなっていきます。

ただ、その場合、相手の浮気を見て見ないフリをする、そして、自分も相手を傷つけないようこっそり浮気する、などという配慮が必要になってきます。

私の周りのゲイたちは、それで長いパートナーシップを維持しているケースが多い。

お互いの浮気に目をつぶるのは、なんというか、もはや「礼儀」みたいなもんです。

まぁ、もしもあなたが「永遠のラブラブ」を望むなら、彼とは別れたほうがいいでしょう。

しかし、その場合、次の彼が見つかっても同じ問題にぶつかりますよ。

それは覚悟しといたほうがいい。

あとひとつ、あなたの文章で気になることがあります。

「会えないと言いながら定時に帰ってるのを知ると、『付き合ってるなら、仕事忙しくても顔くらい見たいとかねーのかよ』とイライラします」というくだりです。

気持ちはわかりますが、ちょっと相手に対する思いやりがないような気がします。

向こうも仕事が忙しくてクタクタになってるんでしょう。

そんな時は一刻も早く寝たいとか、横になってのんびりひとりでテレビでも観たいとか、そんなふうに思うもんですよ。

少なくとも、私はそういうタイプです。

そこでわざわざ彼氏と会って話をしたり多少なりとも気を遣ったりするのは、正直、面倒くさいと思っちゃうんですね。

たとえどんなに好きな相手でも、いや、好きな相手だからこそ、気を遣っちゃって後でグッタリと疲れちゃうんです。

そして下手をすると、そのせいで、どんどん相手がウザくなってくる場合もある。

負担になるというか、重荷に感じてくるというかね。

でも、もちろん嫌いになんかなりたくないから、それなら、いっそ会わないほうがいい…。

なーんて想いを、もしかして彼は抱いてるんじゃないかな?

だから、あなたも少し大人になって、それくらいわかってあげましょうよ。

相手の身になって考える」ことって、付き合っていくうえでとっても大切なことですよ。