人生相談のお時間です。
今回のご相談者は「みか」さんです。
【お名前】
みかさん
【都道府県】
福岡県
【性別】
女性
【年齢】
36歳
【ジャンル】
恋愛
【メッセージ本文】
私の悩みは主人が人に対して大きな壁を作り、妻の私でさえ決して彼の聖域に入れてくれないことです。
彼は人に対してとてもよそよそしく、視線も合わせません。
感情もまったく表さず無表情でいったい何を考えているのかまったくわかりません。
とても無口で声も小さいです。
こちらが話しかけないと話しません。
こんな性格なので友達もいません。
人の手作りのものがあまり好きではなく(衛生的に汚いからとかの理由ではないそうです)、本当に変な話ですが、トイレでする排泄物も下水道で他人のものと一緒になってたらと考えると気持ち悪いなどと変なことを相談してきたりします。
人に電話をするというなんでもない行為も彼にとっては苦痛以外の何物でもないそうです。
結婚式もしてませんし、ウェディング写真でさえ断られました。
彼は決して私に心を開いてくれません。
子どもも欲しくないらしく、理由は変化が怖いそうです(子どもができたら大きく生活が変わるので)。
なんだか主人は人と深く関わるのが怖いように感じます。
なのになんで私と結婚したのか本当に不思議です。
まぁ私からの熱烈なプロポーズでしたが。
主人は医者なのでなんとか社会生活を送れているみたいです。
私は独身時代、本当に寂しくて寂しくて仕方ありませんでしたが、結婚した今でも寂し過ぎて死んでしまうかもと思う時があります。
うさぎさん、こんな他人に対して厚い壁を作る主人と上手くやっていくためのアドバイスを下さらないでしょうか?
もう孤独はまっぴらです。
【中村うさぎの回答】
みかさん、私は素人なので軽々しくこんなことを言う資格はないのですが、あなたの夫は「アスペルガー症候群」ではないか、という気がします。
「アスペルガー症候群」とは、知的障害や言語障害を伴わない自閉症スペクトラムの一症状で、主に対人関係に大きな支障があります。
でも頭のいい人が多く、特に理数系に長けているので、医者や物理学者や数学者などの職業に就き、めざましい功績を上げる人もいます。
あなたがこの障害を知らなかったのなら、今すぐネットで調べてみることをお勧めします。
おそらく、思い当たる節があるのではないか、と思います。
他人の気持ちがわからない、ひとつのことに強過ぎるほどのこだわりを持つ、変化を嫌い予定が狂うとパニックを起こす、他人との生理的な接触が苦手、などなどが主な症状と言われていますが、人によって様々なので、一概には言えないようです。
で、どうすればいいかというと、じつは効果的な治療法はないと言われています。
「共感性」に乏しいのは確かなので、おそらく脳のどこかの配線が人と違うのでしょう。
つまり、私やあなたとはまったく違う世界を見ているのだと思うのです。
そして私たちは一生、彼と同じ世界を見ることはできません。
脳学者のラマチャンドランは、アスペルガー症候群の人たちを「火星の人類学者」と呼んでいます。
つまり、火星からやってきた人が地球人を見るように、彼らは他人を不可解で奇妙な存在と見ているのです。
でも、それは彼らのせいではありません。
生まれつきの障害です。
ここのところを理解しなくては、あなたは彼との関係で一方的に傷つくばかりだと思います。