ある朝目覚めたら、頭の中でずっとCCBの「ロマンチックがとまらない」がかかっていて、以来数日間、エンドレスでこの歌が鳴り響いている中村です。
「だっれっか、ロマンティック♪ とっめって、ロマンティック♪」
ホントに誰か止めてぇ~~~っ!!!
というわけで、「人生相談」ですね。
今回は「りあ」さんからのご相談です。
【お名前】
りあさん
【都道府県】
京都府
【性別】
女性
【年齢】
21歳
【ジャンル】
美容
【相談内容】
突然しょうもない相談をさせて頂くことをお許し下さい。
私はバイトでちょっとしたモデル活動をしたり、よく外見を褒められたりするので
容姿は悪くないほうだと思うのですが、なんだか私の前でわざわざ他の美人の話をする男女が多いので「嫌がらせのつもりかよ」と暗い気分になってしまいます。正直言って、私ほど可愛くない人のことを褒められると「人の顔の好みって色々なんだしお前調子のんじゃねーよ。大体お前それほどでもねーよ」とひそかに言われているような気がします。
それから「俺の好みは…」と顔の話ばかりする男性が多いです。私にどうしてほしいのでしょうか?何が言いたいのか、今ひとつぴんときません。私が嫌味に気づいていないだけなのかもしれませんが。
最近一番鬱陶しく感じたのは
ある男性から「あなたって可愛いね」と言われたので適当に笑って「そんなことないですよ」と返したら「そんなことありませんね、ぷっ」と大笑いされたことです。
私はたしかに外見も大事だとは思っていますが、それだけではやっていけないこともよくわかっています。私自身も
誰にも比べようのない魅力を身につけたいと毎日試行錯誤しながら、一生懸命努力しているのです。人にどう思われるかよりも、いつも自分が好きな顔でいたいのです。でも他の人の好みに合わせないと
外見で人を喜ばせるようなレベルには到達出来ないのでしょうか。心にもないお世辞や、からかいの言葉にいちいち悩まされる自分が恥ずかしいです。
【中村うさぎの回答】
うーん、美人には美人の悩みがあるんだなぁ。
当たり前だけどね。
りあさんの悩みは、自分がブスだのデブだので悩んでる女性たちからすれば、「何よ、贅沢な! 美人ならそれで充分でしょ!」てなもんでしょう。
ですが、我々には例の厄介な「自意識」があります。
ブスで悩むことと、美人で悩むことは、ともに「自意識に縛られている」という点では同じ穴の貉かもしれません。
要するに我々は「他者の目に映った自分」を意識しないではいられないのです。
この世に他者がいなければ、ブスだってデブだって、人目を気にせず堂々と自分らしく生きられるでしょう。
しかしこの世には他者が複数存在し、彼らの評価や審査に常に晒されている我々は、その冷徹な視線に脅えながら生きていかねばなりません。
そしてまた、そんな我々自身も、他者を常に採点している。
やれ「あの人はブス」だとか「あの人は美人」だとか、「あの人はバカ」だとか「あの人は賢い」だとか、容姿だけでなくその内面まであれこれ評価しているもんなんですね。
つまり、我々は互いの視線に縛られて窮屈に生きている。
りあさんが美人ゆえに抱える自意識の悩みを、誰が批判できるでしょうか。
で、りあさん。
あなたは自分が美人だと知っていて・・・