ARTICLE 中村うさぎの人生相談

  • この狂おしいほどの執着こそが、私たちの生きている証なんだよ。

  • 2014年10月17日 (金)

「人生相談」のお時間です。
今回は「文香」さんからのご相談。
ダイエット中の私には、ものすごーく身につまされる内容でした。

では、さっそく読んでみましょう。

 

【お名前】
文香さん

【都道府県】
福岡県

【性別】 
女性

【年齢】
26歳

【ジャンル】
美容

【相談内容】
こんにちは、毎週メルマガ楽しみにしています。死という巨大なものと向き合っておられるうさぎさんに、こんなくだらない悩み……と思うのですが聞いてください。

私は大学1年の頃、頑張ってダイエットをして、158センチ50キロあった体重を大幅に減らしました。それ以来、リバウンド、またダイエット、リバウンド……を繰り返し、ここ1年ほどは何とか、39キロを維持しています。

困っているのが、「普通に食べる」ことができなくなってしまった点です。低体重を維持するため、下剤を濫用したり、ダイエット薬で食欲を消したりして、痩せを維持することに必死です。

カロリーの高い食事が嫌で、外食の誘いを断ってしまったり、どうしても断れないときは、適正な食事の量が分からずオドオドしてしまったり。母親からは、「あなたは食行動がおかしい」と批判されています。

母親は普通体型ですが、私が他人から「痩せてるね」と言われるたび、「そんなボディラインの分かる服を着てるからダメなのよ」みたいなことを言ってきます。ガリの私がスキニーパンツなどを履いていると、痩せ体型を見せびらかしているみたいに見えるそうで…そんな嫌味を言ってくる母親も、ウザったいです。

食べるのが嫌です。でも、本当は食べたい。でも、太りたくない。そんなグチャグチャした気持ちで頭のなかがいっぱいです。

今日も、夏休みで実家に帰っているので、ごちそうを食べ過ぎてしまいました。お腹がいっぱいになるたび、苦しいのです。どうしてこんなに食べてしまったのだろう。デブになるかもしれない。明日からまた絶食だ…と。こんな食生活と、体型への囚われで一生過ごしていくのかと思うと怖いです。まとまりない文章ですみません…身体という檻から自由になりたいです。その先にあるのは肥満体でしょうか……。怖いです。太るくらいなら死んでもいいとすら思うほどです。痩せていないと、全てに自信が持てないのです。

 

【中村うさぎの回答】

文香さん、あなたの気持ちは、今の私には痛いほどわかります。

私も退院後にぶくぶくと太ってしまって、目下ダイエットに励んでいる最中だからです。

食べ物はすべてカロリーをチェックしないと恐ろしくて口に入れられないし、頭の中はカロリー計算の数字で一杯(朝食で何カロリー摂ったから晩ご飯は何カロリー以内に抑えなきゃ、とかね)、そして外食をしてしまった翌日には必ずクヨクヨし、自責の念に苦しめられます。

こんな状態、精神的に健全とは言えない。

そんなことは、自分でもわかってる。
とはいえ、サイズや体重に執着してしまう気持ちをどうすることもできないのです。

だって、これは病気だもん。
依存症」や「強迫神経症」と同類の「執着の病」だもん。

 

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