人生相談のお時間です。
今回のご相談者は「なかみゆ」さんです。
【お名前】
なかゆみさん
【都道府県】
大阪府
【性別】
女性
【年齢】
35歳
【ジャンル】
その他
【メッセージ本文】
中村うさぎさん、はじめまして。
うさぎさんの、真摯に生きる人にしか書けない文章に惚れている35歳・主婦です。
結婚5年目、子どもはいません。
理由は、いつまでたっても子どもをほしいと思う気持ちが強まらないから、です。
なのでこの5年、ひたすら「自分の気持ちの高まり待ち」状態だったのですが、いっこうに高まる気配がありません。
で、気づけばあっというまに35歳。
高齢出産のリスクや体力を考えると、生むなら早いほうがいいに決まっています。
夫は子どもを望んでいます(こっちが頼まなくても精子チェックにいきたがるような人です)。
その夫には自分の気持ちをすべて正直に話しています。
「いつまでたっても欲しいと思えない。てか、どちらかというと、できるならば子どもを産むという行為を避けて今後の人生を生きていきたい。親になる自信が薄い。親になっているまわりの友達をうらやましいとまったく思えない。だけど、普段はなんでも私の意思を最優先してくれるアナタが唯一、子どもを強く望んでいる。私はアナタをとても愛していて、感謝していて、だからこそ気持にこたえたいと思う。わたしが子どもを産むとしたら100%その気持ちだけ。『恩返し』とか『ギフト』的な・・・それでもいい?それでも欲しい?」
夫は「うん」と答えています。
うさぎさん、このように「夫へギフト」みたいな気持ちだけで子どもを産むことって、どう思いますか?
もちろん、生んだ場合「だから欲しくなかったのに」とかは言うつもりはありません。それを絶対に言わないという覚悟がなければ産んではいけないと思っています。
ただ、気持ちの面で、いつかそう思ってしまうのじゃないか、そういう日がくるのではないか、と心配です。
何かに迷った時、うさぎさんは「どちらを選んでも後悔はするから、どちらの後悔がより耐えられないか、を基準に考えればよい」的なことを仰っていましたが、今回ばかりは子どもの問題なので、深く考えすぎてしまって答えが見つかりそうにないのです。
子どもを産んだ場合の後悔→やっぱりいらなかった!!でももう生んでしまったからどうしようもない
産まなかった場合の後悔→一生背負い続ける夫への罪悪感。女性としての機能を使わなかったという自分自身への罪悪感。
助言いただけたらとてもうれしいです。
どうかよろしくお願いします。
【中村うさぎの回答】
まず、あなたの書いた「産まなかった場合の後悔」ですが、二番目の「女性としての機能を使わなかった罪悪感」に関しては、私はまったく持つ必要のない罪悪感だと思います。
女に生まれた以上は子どもを産まなきゃいけないなんて、そんな義務はどこにもないからです。
産みたくなきゃ産まなくていいんですよ、どれだけ立派な機能を持っててもね。
そんなこと言ったら、男だって「一人前の射精機能と健康な精子を持つ以上、子どもを作る義務がある」のでしょうか。
ゲイの人はどうすればいいのでしょう。
彼らも同じ罪人なんでしょうか?
そんなことを言う人もかつてはいたけれど、今では否定されています。
生殖機能なんかに縛られる必要はない。
そんなの義務でも何でもないんです。