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著作本一覧 中村うさぎの人生相談他人に対して「生きるな」という権利が誰にもないように、「死ぬな」なんて言う権利も誰も有しない。
毎回申し上げてることですが、お寄せいただいたご相談に対する私の回答は、ほとんど役に立ちません。
具体的な解決法を指し示せないばかりか(というのも、私は人生に「正解」なんてない、と考えているからです)、とんちんかんなことを言ってるかもしれません。きっと、このコーナーで救われる人なんて、ひとりもいないでしょう。
が、それにしても、です。
今回のお悩みに関しては、あまりにも無力な自分に頭を抱えました。
具体的な回答や適切なアドバイスができないのはもちろん、何をどう答えていいのやら、どんな言葉をこの方にかけて差し上げればいいのか、皆目見当がつかないのです。
したがって今回は、いつにも増して無能な人生相談になっています。
本当にすみません。
では、さっそく、「みさ」さんのお悩みを聞いてみましょう。
【お名前】
みささん
【都道府県】
東京都
【性別】
【年齢】
22歳
【ジャンル】
その他
【相談内容】
私は十代の頃からPMDDに悩まされています。
生理前にものすごく鬱になり別人格のようになってしまいます。生活に支障をきたすレベルです。
月によって程度に差はありますが、毎月自殺を考えています。
今までは、どんなに鬱状態で自殺の計画を立てても、もう一人の自分が「大丈夫!生理がくれば元に戻るから死ぬな」と止めてくれました。
しかし、最近は「生理がきて良くなっても、また来月こんな思いをするなら死のう」と思うようになりました。
それくらい、鬱のときがつらいです。
高校生のときは、女に生まれたことを憎んだり、色々な病院にいったり薬を飲んだりしていましたが、今はもう疲れました。
鬱状態のときはネガティブなことしか浮かばないし、何を考えても死に行き着きます。周りに死ぬなと言われても何も変わりません。
鬱以外にも人に暴言を吐いて傷つけてしまったり、自分が怖いです。
私は4才頃から周囲から孤立して生きづらさを感じていたし、ひょっとしたら発達障害かもしれないし(発達障害の人はPMDDになりやすいと書いてある本もあった)、
思春期は異常なネガティブ&境界性人格障害の気もあったし、いわゆるメンヘラなのかもしれません。
しかしハタチを超えたあたりから性格や考え方などは変わり、かなりポジティブにもなりました。活発に遊びや勉強もして、生活も楽しいです。
なのに、PMDDがくるとこのポジティブになった性格も楽しい生活も、ぶち壊されます。(楽しい時があるだけマシじゃないかと思われるかもしれませんが、鬱はそれを上回るつらさです。楽しかったのなんてどうでもよくなります)
もう朝まで泣くのは嫌です。涙が詰まり息が苦しい。眉間が痛いです。
私はどうすればいいのでしょうか。
他人からしたらどうでもよすぎるとこですが(笑)
PMDDで悩んでる女性は結構いて、2ちゃんやmixiのコミュなどでつらい気持ちを叫ばれています。
治療法も確立されていないし、医者が無知で逆に傷つけられたりすることも少なくありません。
PMDDの治療をやっているところをやっと見つけても、高額なサプリを売りつけられたり、胡散臭いものも多いです。
PMDDについて、うさぎさんのお言葉をいただけたらと思います。
愚痴なのか相談なのかよくわからない感じになってしまいました。申し訳ありません。
【中村うさぎの回答】
ううーーーん!
「PMDDについてお言葉を」と言われましても~。
私は医者ではないので専門的な知識も皆無だし、その病気に罹ったことがないので、みささんの苦しみに「わかる、わかるー」などと安易に頷くこともできません。
だって、わかんないもの。
みささんだって、末期癌の患者さんの苦しみなんてわかんないでしょ?
想像することはできても、体感も共有もできない。
続きは2014年7月11日(金)18:00配信!
「中村うさぎの死ぬまでに伝えたい話」【Vol.15】にて!
中村うさぎのインタビュー記事掲載のお知らせ
本日、日本経済新聞 電子版に中村うさぎのインタビュー記事が掲載されております。
死の淵をさまよい見えた「どん底」人生の乗り越え方 中村うさぎ
日本経済新聞 電子版 7月4日(金)号
中村直腸の説話 2014.07.04【Vol.06】
ブルボンヌさんの愛溢れるショーに感銘を受けた中村直腸は・・・。
「中村直腸の説話」
第二回目ゲスト
ブルボンヌさん
http://bit.ly/TGwShM
動画はコチラ
http://bit.ly/2HQvcNw
私たちは、穴の開いたバケツのような魂を抱えてる。だから、私たちの魂は、いつも空っぽ。
今回は「菜々」さんからのご相談です。
女性読者さんたちは身につまされる人も多いんじゃないかなー。
女子は男子に比べて、見た目で露骨な差別を受けることが格段に多いからね。
「デブ」や「ブス」は本当に生きづらい。
「あたしはデブでもブスでもないしー」なんて思ってる人だって、腹の肉が少したるんできただけでショックを受けて猛然とダイエット始めたり、加齢とともに容貌が劣化していくことに恐れおののいたり、とにかく女は「見た目」問題から逃れられないのですよ。
ここでご紹介する菜々さんも、自分の「見た目」に半生を振り回された女性です。
彼女の苦しみは、私たちにとっても、決して他人事ではないはずです。
【お名前】
菜々さん
【都道府県】
神奈川県
【性別】
女性
【年齢】
33歳
【ジャンル】
美容
【相談内容】
はじめまして、こんにちは。
中学生の頃から、中村うさぎさんのファンでした。
長くて申し訳ないのですが、よかったら相談に乗って下さい。
私は幼稚園の頃からデブでした。
そのせいで小学校~中学校まで、皆から馬鹿にされイジメられていました。
親にはイジメられてるなんて恥ずかしくて言えず、教師は見て見ぬふり、どうすることもできないストレスを、ポテトチップスを食べる事により解消していました。
そんなことをしていたので、14才で身長160センチに対し、体重は増え続け86キロになってしまいました。
その後1年間かけて、30キロ痩せました。
大学生まではなんとか体型を維持しておりましたが、就職してからはストレスでまた過食するようになってしまい、25キロも太りました。
以前と同じようにダイエットに励み、1年近くで30キロ痩せました。
…が、ダイエットに成功した後、なぜだかまったくご飯が食べられなくなり、体重は40キロまで落ちてしまいました。
その時の自分は痩せたことで、やっと人間らしくなれた気がしていました。
XSサイズの服が入る自分が大好きで、Mサイズ以上の人に対して、根拠の無い優越感を持っていました。
しかし家族の皆が心配するようになり、妹は私を飲食店に連れて行き、これを食べなよと私の好物をおごってくれました。
そこではじめて自分が、異常かもしれないということに気付きました。
それからは少しずつご飯を食べるように努力し、体重は50キロまで回復しました。
このまま保っていこうと思っていましたが、4年後、結婚して実家の遠方に住んだ私は、夫の浮気や暴力に悩まされ、また過食に走るようになりました。
過食している時は、怒りにまかせてひたすら勢い良く物を噛み砕いています。
結局離婚したのですが、その時のことで相当なストレスが溜まり、やはり私はまた食べ続けてしまいました。
結局体重は72キロになり、腰痛持ちになってしまいました。
今は、医師からも痩せるように言われ、なんとか10キロは痩せられましたが、最低でもあと5キロは痩せなければなりません。
このように今まで、痩せたり太ったりをずっと繰り返してきました。
また、再婚する機会に恵まれて、年下の夫ができましたが、彼はとても痩せており隣に立つのがとても申し訳ないと感じます。
太るのは簡単、痩せるのは難しいと言いますが、30代になってからは本当にその通りだと思います。
もう二度と太りたくはないのに、いつでも過食に走りそうな自分がおり、とても怖いです。
もう二度と太りたくないし、ダイエットはこれで最後にしたいです。
それなのに、常に食欲を抑えているせいか、暇さえあれば食べ物のことばかり考えてしまっています。
どうしたら自分を抑えていられるようになれますか?
しょうもない相談で申し訳ないのですが、宜しくお願い致します。
【中村うさぎの回答】
菜々さん、あなたの半生は、さぞ辛く苦しいものだったでしょうね。
幼少の頃から太っていたということは、それだけイジメにも遭いやすい。
ガキ(←特に男の子たち)ってのは、本当に容赦ないですからね。
「デーブ、デーブ」と囃し立てられて涙を浮かべる幼いあなたが目に浮かぶようです。
そして、幼い頃にイジメに遭うと、自己評価が激しく下がる。
特にあなたの場合、両親にも教師にも相談できなかったのだから、守ってくれる大人が周りにいなかったことで、ますます孤独を募らせたことでしょう。
両親は知らなかったのだから仕方ないにしても、見て見ぬふりの教師は酷いですね。
教師の役目は子どもたちを守ることなのに……。
さて、このような幼少期と思春期を過ごしたあなたは、先ほども申し上げたように、自己評価の著しく低い人間になってしまったのだと思います。
では、自己評価の低すぎる人間は、どのような行動を取るのか?