今回は「菜々」さんからのご相談です。
女性読者さんたちは身につまされる人も多いんじゃないかなー。
女子は男子に比べて、見た目で露骨な差別を受けることが格段に多いからね。
「デブ」や「ブス」は本当に生きづらい。
「あたしはデブでもブスでもないしー」なんて思ってる人だって、腹の肉が少したるんできただけでショックを受けて猛然とダイエット始めたり、加齢とともに容貌が劣化していくことに恐れおののいたり、とにかく女は「見た目」問題から逃れられないのですよ。
ここでご紹介する菜々さんも、自分の「見た目」に半生を振り回された女性です。
彼女の苦しみは、私たちにとっても、決して他人事ではないはずです。
【お名前】
菜々さん
【都道府県】
神奈川県
【性別】
女性
【年齢】
33歳
【ジャンル】
美容
【相談内容】
はじめまして、こんにちは。
中学生の頃から、中村うさぎさんのファンでした。
長くて申し訳ないのですが、よかったら相談に乗って下さい。
私は幼稚園の頃からデブでした。
そのせいで小学校~中学校まで、皆から馬鹿にされイジメられていました。
親にはイジメられてるなんて恥ずかしくて言えず、教師は見て見ぬふり、どうすることもできないストレスを、ポテトチップスを食べる事により解消していました。
そんなことをしていたので、14才で身長160センチに対し、体重は増え続け86キロになってしまいました。
その後1年間かけて、30キロ痩せました。
大学生まではなんとか体型を維持しておりましたが、就職してからはストレスでまた過食するようになってしまい、25キロも太りました。
以前と同じようにダイエットに励み、1年近くで30キロ痩せました。
…が、ダイエットに成功した後、なぜだかまったくご飯が食べられなくなり、体重は40キロまで落ちてしまいました。
その時の自分は痩せたことで、やっと人間らしくなれた気がしていました。
XSサイズの服が入る自分が大好きで、Mサイズ以上の人に対して、根拠の無い優越感を持っていました。
しかし家族の皆が心配するようになり、妹は私を飲食店に連れて行き、これを食べなよと私の好物をおごってくれました。
そこではじめて自分が、異常かもしれないということに気付きました。
それからは少しずつご飯を食べるように努力し、体重は50キロまで回復しました。
このまま保っていこうと思っていましたが、4年後、結婚して実家の遠方に住んだ私は、夫の浮気や暴力に悩まされ、また過食に走るようになりました。
過食している時は、怒りにまかせてひたすら勢い良く物を噛み砕いています。
結局離婚したのですが、その時のことで相当なストレスが溜まり、やはり私はまた食べ続けてしまいました。
結局体重は72キロになり、腰痛持ちになってしまいました。
今は、医師からも痩せるように言われ、なんとか10キロは痩せられましたが、最低でもあと5キロは痩せなければなりません。
このように今まで、痩せたり太ったりをずっと繰り返してきました。
また、再婚する機会に恵まれて、年下の夫ができましたが、彼はとても痩せており隣に立つのがとても申し訳ないと感じます。
太るのは簡単、痩せるのは難しいと言いますが、30代になってからは本当にその通りだと思います。
もう二度と太りたくはないのに、いつでも過食に走りそうな自分がおり、とても怖いです。
もう二度と太りたくないし、ダイエットはこれで最後にしたいです。
それなのに、常に食欲を抑えているせいか、暇さえあれば食べ物のことばかり考えてしまっています。
どうしたら自分を抑えていられるようになれますか?
しょうもない相談で申し訳ないのですが、宜しくお願い致します。
【中村うさぎの回答】
菜々さん、あなたの半生は、さぞ辛く苦しいものだったでしょうね。
幼少の頃から太っていたということは、それだけイジメにも遭いやすい。
ガキ(←特に男の子たち)ってのは、本当に容赦ないですからね。
「デーブ、デーブ」と囃し立てられて涙を浮かべる幼いあなたが目に浮かぶようです。
そして、幼い頃にイジメに遭うと、自己評価が激しく下がる。
特にあなたの場合、両親にも教師にも相談できなかったのだから、守ってくれる大人が周りにいなかったことで、ますます孤独を募らせたことでしょう。
両親は知らなかったのだから仕方ないにしても、見て見ぬふりの教師は酷いですね。
教師の役目は子どもたちを守ることなのに……。
さて、このような幼少期と思春期を過ごしたあなたは、先ほども申し上げたように、自己評価の著しく低い人間になってしまったのだと思います。
では、自己評価の低すぎる人間は、どのような行動を取るのか?