ARTICLE 中村うさぎの人生相談

  • 彼自身がどんなに「やめよう」と決心しても、やめられない時はやめられないのです。

  • 2017年08月07日 (月)

人生相談のお時間です。
今回のご相談者は「sacra」さんです。

 

【お名前】
sacraさん

【性別】
女性

【ジャンル】
恋愛

 

【メッセージ本文】
私は既婚の30代です。
社内の動機(既婚)と不倫関係になりました。
ダメだとわかっていますが、お互い完全に割り切った付き合いで、それなりに刺激があって楽しいのが本音です。

問題は彼の性癖です。
性癖といいますか、盗撮癖です。

私は彼にずっと盗撮癖があることを知っていました。
私自身も、付き合う前に彼に何度か盗撮されたことを知っています。
二人のベッドての行為をそっと盗撮されていることも知っています(私もバカなんですが……)。
それらを知ったうえで、それでも彼の仕事ぶりや性格に惚れて、付き合っています。

一時期おさまっていた盗撮ですが、最近また、職場の女性(50代)の足元を隙あれば盗撮しています。
本人は誰にもバレていないと思っています。

その行為がエスカレートしていって、行動が徐々に大胆になってきていて、他の人にバレるのではないかと、こちらがヒヤヒヤしてしまいます……。

性癖はその人の個性だと思いますが、盗撮は犯罪です。
「やめなよ」と注意しないと、と思う一方で、盗撮という非常にナイーブなところを指摘したことで二人の関係が壊れてしまうのが怖い気持ちもあり、何もできずにいます。

彼のことが大好きで、人として尊敬できる部分も多いだけに、悩んでいます。
こんなこと誰にも相談できません。
うさぎさんなら、どうされますか?

【中村うさぎの回答】

「やめなよ」と言うべきかどうか悩んでいるのだとしたら、答は簡単です。
あなたが「やめなよ」といったところで彼はやめないでしょう。
盗撮とか万引きとか痴漢って、一種の「依存症」だと私は思っています。
私が買い物依存症だった頃、みんなに「やめなよ」と言われましたし、私自身もやめたくて仕方なかったのですが、どうしても止まりませんでした。
彼もきっとそうだと思います。
誰がなんと言おうと、そして彼自身がどんなに「やめよう」と決心しても、やめられない時はやめられないのです。
それが「依存症」という病です。

では、どうすれば治るのか?
依存症を専門とするクリニックに行くのもひとつの手ですが、彼自身がよほどの危機感を抱いてない限り、おそらく自発的にクリニックなんかに行かないでしょう。
はっきり言って私は、彼にとっての一番の薬は「捕まること」だと思ってます。
捕まって社会的な信用を失い、家族や友人からも見放され、何もかも失くした時に初めて彼は真剣に危機感を覚えるでしょう。
とはいえ、捕まったからといって必ず治るとは限りません。

 

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