ARTICLE 中村うさぎの人生相談

  • 何も説明せずに、ただ「教えてくれ」と言うのは、私にしてみれば「甘えてんじゃねーよ!」です。

  • 2015年06月12日 (金)

 人生相談のお時間です。
 今回はいつもより短めです。
 何故なら、ご相談メールがめちゃくちゃ短いからです。

 なにしろ、たった一行のご相談(てか、質問かな)で、いったいなんでこのような質問をするに至ったのかという背景も説明されてませんし、私もご相談者の立場に立って考えることすらできません。
 べつにご相談文が長ければいいというわけでもありませんが、ここまで短すぎるとご相談者の境遇も動機も不明ですので、私も一般論でしか答えられません。

 しかしまぁ、せっかくご相談いただいたのですから、お答えしたいと思います。
 ご相談者は「としふみ」さんです。

 

【お名前】
としふみさん

【都道府県】
埼玉県

【性別】
男性

【年齢】
33歳

【ジャンル】
その他

【相談内容】
人が生きる理由教えてください

 

【中村うさぎの回答】

答は「そんなもの教えられません」です。
 そもそも我々に「生きる理由」などないと私は思います。
 生きる理由は、自分で考えるんです。
 だから、あなたの「生きる理由」と私の「生きる理由」は当然違ってくる。
 他人に訊いたって意味ありません。
 自分の行為の理由を、あなたはいちいち他人に尋ねますか?
 たとえばあなたが昼食にハンバーガーを食べたとして、「僕がランチにハンバーガーを食べた理由を教えてください」なんて人に訊くかね?

そんなの自分で考えるでしょ。 

それと同じですよ。

 人が生きる理由なんて、その人それぞれの思想や事情によってさまざまです。
 全人類に共通の「生きる理由」なんてないし、そんなものがあらかじめ設定されていると想定するとしたら、その設定者は「」と呼ばれるような超越者でしかあり得ないので、もはや宗教の領域になります。
 なので、あなたが「人間は誰かに定められた理由のもとに生きているに違いない。そして自分はその理由が知りたいのだ」と考えるのであれば、どうかその質問は牧師やお坊さんにしてください。

 と、ここまでの文調からお察しいただけるように、私は少し不快です。

 

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