中村うさぎの人生相談

あなたは結局のところ、「彼氏」が欲しいのか「友人」が欲しいのか、どっちなのかな?

こんにちはー。
世界一役に立たない人生相談のお時間です。
さぁ、今日は「ひろし」さんからのご相談です。

 

【お名前】
ひろしん

【都道府県】
大阪府

【性別】 
男性

【年齢】
28歳

【ジャンル】
人間関係

【相談内容】
うさぎさん、こんにちは。
いつも楽しく拝読しています。

こんなことをここで公表するべきではないのかもしれませんが、自分はいわゆる「ハッテン場」に出入りしています。まぁつまり、ゲイなんです。ハッテン場に出入りする理由はもちろん純粋な性欲解消のためでもあるのですが、実のところ目的はそれだけでもなくて、「何かいい出会いがあれば…」なんて淡い期待がどこかないわけでもありません。勿論、実際にメルアドを交換するなんて結構稀なことなのですが、それでも過去に連絡先を交換して、中には交際に至ったこともあります。

でも、最近そういう「良い出会い」を怖いと思う自分がいます。怖い、というのは見ず知らずの人と連絡先を交換する、という恐怖ではありません。良い出会いがそのまま良い関係性の構築(友達なり彼氏なり)に繋がればいいのですが、実際のところそうも上手くはいかないわけで、自分の期待が叶わないくらいならいっそ良い出会いなんて無い方がマシなのではないか…という考えが頭をよぎってしまうのです。そしていつしか「出会い」そのものが悲しみを生み出す元凶として思えてしまい、恐怖(というと大げさですが)を感じるまでになってしまいました。

いや、出会いがあればその時は単純に嬉しいのです。期待もします。実は最近、ハッテン場でいい出会いがありました。結構イケメンです。でも、ゲイの世界って儚いというか、純粋な友達を作るというのがなかなか難しい気がしています。(そうでもないよ!という人もいるかもしれませんが、自分と同じように積極的にゲイバーに出入りするようなタイプじゃないゲイは
結構そんな風に思ってるような気がしています。)というのも、こちらの世界では友達を作るにもどうしても恋愛感情が絡んでくるし、しかも好みが割と再分化されているし。まぁゲイが我侭だと言われてしまえばそれまでなんですが…。そんな儚い世界だからこそ、ふと冷静になったときに、この出会いは一過性のものなんだよな、この関係性はずっと続くわけではないよな…とマイナス思考に陥ってしまうのです。

じゃあそもそも出会を求めなければいいじゃないかと言われるとそう単純でもなくて、やっぱりいい関係を構築したい、と思う自分もいます。それに、ずっと孤独に耐えられるかな、という不安もあります。ノンケの友達もいるけれど、カミングアウトはできていません。“性指向”というある意味で自分の根本的な部分を共有できず、仲の良い友達であってもどうしてもこちらで勝手に距離を感じてしまいます。

なんだかとりとめのない話になりましたが…ゲイの世界云々と書きましたが、根本的な問題は自分の思考回路にあることもある程度分かっています。ただ一方、自分の悩みにはちょっと特殊なゲイ事情も絡んでいるような気がします。気の持ちようと言えばそうなのですが、この思考回路から抜け出すにはどうしたらいいのか、うさぎさんならどう考えられますか?

ちなみにですが、自分は別にすごーく社交的でないわけでもないものの、そこまで人付き合いは悪くないと思います。またやや童顔なのでゲイの世界でドストライクの顔では全くありませんが、まぁ行けば行ったでそれなりに楽しめることが多いので(ハズレの日もありますが)、需要もそれなりに(本当にそれなりに)あるのでは?と踏んでいます。ただ、こっちの仲間が数人いるだけで、しかも比較的浅い付き合いなので、
深い付き合いができる人間関係も築きたいなとも思います。でもそれに躊躇う自分がいます。矛盾してますよね(笑)?

内容が内容だけに採用されるか分かりませんが、うさぎさんの意見が聞きたくてメールしました。ご一読くださりありがとうございました。

 

【中村うさぎの回答】

ひろしさんのご相談にお答えする前に、ひとつ解説を付け加えておきます。
文中に「ハッテン場」という言葉が出てきますが、これが何のことかわからない読者の方もいらっしゃるかもしれません。

ハッテン場」というのは、ゲイの人たちが集まって相手を探し、セックスをする場所です。
私は入ったことがないので(当たり前ですが、男しか入れません)よくわからないのですが、サウナ形式だったりハプニングバーっぽい作りだったりで、そこにいくつか個室があり、お互いに気に入った相手がいればその個室に入ってセックスをする、という仕組みのようです。

わかりにくい説明ですみません。

まぁ、あとは想像力で補ってください。

さて、それでは、ひろしさんのお悩みについて考えていきましょう。

えーと、ひろしさんにひとつ質問したいのですが、あなたは結局のところ、「彼氏」が欲しいのか「友人」が欲しいのか、どっちなのかな?

というのも、「彼氏」と「友人」は両立しにくいからなんですね、
もちろん恋人としてしばらく付き合った後、別れても友達同士でい続ける人たちもいます。
でも、それは多分に、その人たちの性格によるところが大きい。
別れた後もあっけらかんとして連絡を取り合うような性格じゃないと無理ですね。

 

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中村うさぎの人生相談

私があなたに好感を持つのは、あなたが「自分の言動のすべてはナルシシズムを満たす作業に過ぎない」ということをきちんと認識しているからです。

他のコラムにも何度も繰り返して書いているので、もはや聞き飽きたかもしれませんが(てか、間違いなく聞き飽きてるだろ)、我々を不幸にしているのは、この厄介な「自意識」と「ナルシシズム」です。

極言してしまえば、我々は己を肯定するためだけ、そう、ただそれだけのために生きている。
それは「私は生きていてもいいんだよね」から始まって「私はこの世界に必要とされてるんだ」という確認に発展し、それがエスカレートすると「私はこの世界に必要不可欠な特別な存在である」などという妄想に至るわけですね。

世界を救うヒーロー物が人気を博すのは、読者や観客がヒーローに感情移入し、いとも簡単に万能感に満たされて、自分が特別な人間であるというナルシシズムの充足を味わえるからです。
本当は「私が世界を必要としている」のに、それがいつの間にか「世界が私を必要としている」にすり替わっている。

 

でもね、これは仕方ないんです。

 

この世に生まれてきてしまった以上、我々は「」という自我を持たざるを得ず、その「」の存在にいかに意味と価値を与えるかが最重要課題となってくる。
我々は、そういう生き物なんですよ。
犬や猫のように己のちっぽけな世界に充足して、縄張りだの発情だのといった日常の些事に拘泥し、間違っても「俺がこの世界を救う」なんて野望を持たずにすめば、人間はどんなにか幸せだっただろうかと思いますが、現在のような高度な文化や文明を生み出すこともなかったでしょう。

さて、前置きが長くなってしまいました。
今回は「ちゃんま」さんのお悩みです。

 

【お名前】
ちゃんまさん

【都道府県】
埼玉県

【性別】 
女性

【年齢】
26歳

【ジャンル】
人間関係

【相談内容】
うさぎさん、こんにちは。
ちゃんま、と申します。

突然ですが、私は自分のことが可愛くて可愛くて仕方ありません。
人に好かれたくて、認められたくて、注目されたくて仕方ありません。
他人からどう思われているかばかりを気にして生きています。
常に関心は自分にあり、他人には恐ろしいくらいに無関心です。
人への優しさも、自分が良い人間だと思われるための優しさです。
私の「良い行い」は全て見返りのための態度です。

そして、自分のことが可愛すぎるあまりか、他人の幸せを心から祝福できません。
同じステージに居た友人がステップアップしていくのを見て、あまり心地よく思っていない自分がいます。

私は昔から、偽善や自己保身に走る人間を嫌っていましたが、最近それは自分自身のことではないかと気づきました。

外に出ると、どうしても自分を偽ってしまいます。ずっとそうやって生きてきました。無意識に思ってもいないことを言ったりして、「偽っている」自分に自覚が無くなることさえあります。

でも、本当はこんな自分が嫌で嫌でどうしようもありません。
出来るのならば、「自分」以外の世界に心から関心を持てるようになりたいです。
どうすれば私は変われるでしょうか?

うさぎさんの意見を聞きたいです。
よろしくお願いします。

 

【中村うさぎの回答】

ちゃんまさん、あなたの苦悩はよくわかります。

 

でも、冒頭でも申し上げたように、それが「人間」という生き物の本質なのです。
だから、残念ながら、あなたがそのナルシシズムや自己確認欲求から逃れる術はありません。
それをやらなくなったら、あなたはもう人間ではなくなってしまうからです。

そんなら人間やめたい」と思うかもしれませんが、今さら犬や猫になれるはずもなく、あなたはこれからも人間として生きていくしかありません。
」という厄介な自我を抱え、その「」をいかに満たすかに腐心し、満たされないと欠落感や自己不全感に必要以上に苦しむ日々。
が、満たされたら満たされたで恍惚の瞬間を得るものの、より高い野望を抱くようになってますます「私にはまだまだ足りないものがある」という不全感に苦しむか、あるいは「私はこの世を救う特別な人間だ」などという誇大妄想を持ってしまうか、いずれにしても幸福な結末など望むべくもありません。

 

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まぁ、薬の副作用で顔がパンパンにむくんでるうちは、何やっても無駄だけどねw

昨日は睫毛エクステのサロンに行って来ましたー!
いつもの「アンジェ」さんです。
エクステ師は、おなじみのさえちゃん。
S__5152778

なんて美しい仕上がり!
いつもながら天才だわ!
もちろん、下睫毛もバッチリよ!
S__5152782

こちらのサロンでは小顔になる骨格マッサージや健康美肌エステもやってて、評判いいみたい。
あたしも薬の服用が終わったら、試してみようかな!

まぁ、薬の副作用で顔がパンパンにむくんでるうちは、何やっても無駄だけどねw

そう、無駄と言えば、ダイエットも、相当の徒労感があるわ。

 

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中村直腸の説話 2015.01.30【Vol.35】

「相方」詩人本田まさゆきの顔も嫌いなんです。笑。

「中村直腸の説話」
第八回目ゲスト
歌人 枡野 浩一さん
枡野浩一公式サイト『ますので』

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