人生相談のお時間です。
今回のご相談者は「アヤ」さんです。
【お名前】
アヤさん
【都道府県】
北海道
【性別】
女性
【年齢】
24歳
【ジャンル】
その他
【メッセージ本文】
うさぎさんはじめまして!うさぎさんが以前メルマガで福山雅治にガチ恋してる女の心理が不思議だと書いてあり私はどうしてもうさぎさんに聞いてほしい事があります。それは、芸能人に「ガチで恋する」事です。これは小学生の高学年頃から現在24歳になるまでやめられない「癖」なのです。
仮に小学生くらいならまだファンタジーな脳内で済まされますが24歳になると本当に自分でもバカだと心の何処かで想っているのですが懲りずに恋してます。私は正直可愛くもないし家庭環境も複雑全てが不器用で学生時代もカーストは下の方でコンプレックスだらけです。そんな私の唯一の救いが妄想で芸能人と恋をする。その時のシチュエーションが自分も売れっ子の芸能人で(妄想の相手よりも売れている)で彼と愛し愛され熱愛大スキャンダルだけどお互いの事務所も認め合うほど私は一流芸能人!というものです。(他にも色々ありますがw)でもこれって私のナルシズムですよね。うさぎさんの著書[さびしいまる、くるしいまる。]を読んで当時のうさぎさんがホストに対する想いと私の芸能人に対しての恋心が似ているように思いました。(違っていたらすみません。)私はありのままの私ではなく他者になりたい。恋心を抱く芸能人に私は「なりたい」だけ。こんな地獄のナルシズムのループから抜け出すにはどうしたらいいのかわかりません。ちなみに好きになった芸能人に本当の熱愛があった場合かなり嫉妬しますwそして好きになった芸能人との恋は叶うと本気で信じています…w本当に現実の自分が、バカでイタくて情けないけど何処かで面白いなと俯瞰して己をみています。
【中村うさぎの回答】
いやぁ、面白い!
何が面白いって、あなたの妄想が面白いです!
そっか~、芸能人相手の恋を夢見るだけでも相当現実離れしてるのに、妄想の中では自分まで芸能人なんだ。
もう、思いっきり架空の世界ですね、アヤさんの妄想は。
いや、もちろん私だって脳内で自分のお気に入りシチュエーションをいろいろ妄想して楽しんだりしますけど、その場合、あくまでも自分は自分のままで、まったくの別人に置き換えることはないですね。
例外はオナニーする時のエロ妄想で、そこには自分が一切登場せずに架空のキャラ同士でエッチなことしたりするんですが、そこに登場する女キャラを「私」というふうには認識してません。
エロ漫画を読んでるような感覚で、自分とは違うキャラがあんなことやこんなことをしてるのを覗き見してウヒヒと萌えてる感じです。
なので、アヤさんの恋愛妄想の特異な点は、「自分が別人になってる」ことだと私は思いました。
私なんだけどリアルな私とは全然違う、「夢の私」なのですね。
うん、なるほど、いいじゃないですか。
アヤさんが自分でもどうかと思いつつもその恋愛妄想をやめられないのは、その妄想のテーマが「芸能人との恋愛」ではなく「夢の私」だからなんですね。
つまり、その妄想から生じる快感は、芸能人と恋愛する快感じゃなくて、自分が別人になる快感なんですよ。
アヤさんが自己分析しているとおり、これはナルシシズムの快感です。
妄想の中でリアルな自分とは違う「理想の自分」になりきる……そりゃあ気持ちいいに決まってますよ。
そんなに気持ちいい妄想ネタを持ってるなんて、羨ましい限りです。
アヤさん、私は確かに芸能人に恋する人の気持ちがわかりませんが、べつにそういう人を批判したり否定したりする気はありません。
逆に、あなたの話を聞いて初めて「なるほど、そんな感じなのか」と納得し、なんだか楽しそうじゃないかと思ってしまったくらいです。