人生相談のお時間です。
今回は、2つの「ご相談」を取り上げます。
というのもですね、最初のヤツは、「こういうの送って来ないでね」の代表格としてご紹介するご相談だからです。
では、その44歳の女性「猫」さんのお悩みです。
【お名前】
猫様
【都道府県】
東京都
【性別】
女性
【年齢】
44歳
【ジャンル】
恋愛
【相談内容】
ずーっと通ってた、ドトールの店員さんが、退社しました。その日に手紙とかくれて。私も大好きでした。しかし、その後行方知らず。毎日泣いてます……..一生わすれられないだろう…困りました。40歳位の馬ずらのひとです。
【中村うさぎの回答】
知らねーよっ(怒)!!!
「ドトールの店員さん」とか言われてもどこのドトールかもわかんないし、「40歳くらいの馬ずらの人です」なんて言って、私にどうしろって言うの?その男を探せっちゅーのか?どうしても探し当てたいなら、興信所でも何でも使って自分で探しなさいよ。
猫さん、こういうのは「相談」と言わず「愚痴」と言います。あなたは愚痴を言いたいだけなのです。そして他人に愚痴を言いたい人というのは、「そうなの、そうなの。大変ねぇ。かわいそうにねぇ」と言って欲しいだけなのです。
でも、私はそういうこと言いませんよ。
人の相談には真摯に乗るが、愚痴は絶対に聞かない……それが私のスタンスです。何故なら、愚痴には発展性がないうえに、聞いてるこっちがウンザリするだけだからです。どうせ真剣にアドバイスしても「でも……でも……」と言い訳するばかりで、人の意見に聞く耳を持たないのが、愚痴を言う人の特徴です。だから私は、個人的に親しい友人の愚痴も聞きません。「相談」と称して「愚痴」を言いたがる人は世の中に結構いるのですが、それが「相談」ではないと気づいた時点で、私は相手にはっきり言います。
「そんなこと私に話して、何をして欲しいの? ただ愚痴を言いたいだけなら、私以外の人に言うか、ひとりで勝手にクヨクヨ悩んでらっしゃい」
わかりましたか、猫さん?
悩みというのは、総じて、「自分で解決するもの」です。ただ、自分ひとりで解決するという作業は著しく「客観性」を欠くため、永遠に答えが見えてこない可能性がある。そういう時に、悩める人は他人に相談し、客観的な意見を聞いて参考にしようとするわけです。そのようなご相談なら、私も及ばすながら、真摯に考えて意見を申し上げます。
しかるに、愚痴を言いたい人は、まずは「客観性」など求めてない。自分の主観の中に閉じこもり、馴れ合い関係の他人にベタベタと無責任な甘い同情の言葉を囁かれたいだけです。ここは「人生相談」の場ですので、そういう人はよそに行ってくださいね。
では、本番の「人生相談」に入りましょう。
33歳の女性「あんな」さんからのお悩みです。
【お名前】
あんな様
【都道府県】
福岡都
【性別】
女性
【年齢】
34歳
【ジャンル】
その他
【相談内容】
うさぎさんこんにちは!いつも楽しくエッセイを拝読しています。
私の悩みは私が女であるにもかかわらず、好色物であるということです。常にエッチなことを考えてしまい、それが回りにも伝わっているのか色っぽいねなどと言われます。下ネタも大好きなんです。男の人は私のこと心のどこかで見下しているみたいです。なんだか自分がエロすぎて孤独なんです。淋しすぎて死んでしまいそうです。自分を抑えて生きていくべきなのでしょうか!?実際私に近寄ってきた男もクズばかりでしたしね。
【中村うさぎの回答】
あんなさん、男というのは、すぐヤラセてくれる女を心の底で見下してるもんです。
セックスワーカーの女性に対する男の無意識的な侮蔑感が、それを明確に裏付けています。
私が以前、デリヘルをやった時も、そんな男はウヨウヨいました。