獣の顔を持つ天使―宇宙海賊ギル&ルーナ〈2〉
出版社: 富士見書房
発売日:1998/2
文庫: 274ページ
「ヴァスキス4に来るがいい」ホログラムに映った男は俺に向かってそう言った。人形のように整った顔立ちに輝くような銀色の髪、形のいい紅い唇、そして妖しげに光る紫色の瞳…。うっとりするような美形だ。いや、勘違いしないでくれ。俺はべつにホモってわけじゃないぜ。それに気障な野郎は大嫌いだ。だが俺はヤツの瞳から目を離すことが出来なかった。それは物心ついた時から天涯孤独だった俺が唯一もつ暖かい記憶…母の面影をこいつは思いださせるからだ。説明の出来ない激しい衝動に駆られ、俺はヴァスキス4へ向かった…。絶好調!中村うさぎの新感覚スペースオペラ第二弾。