人生相談のお時間です。
このところ自意識やナルシシズムの話が続いたので、今回は少し目先を変えて「家族」の話をしたいと思います。
まずは「みか」さんからのご相談です。
【お名前】
みかさん
【都道府県】
福岡県
【性別】
女性
【年齢】
35歳
【ジャンル】
人間関係
【相談内容】
うさぎさんこんにちは。いつも楽しくエッセイを読ませて頂いています。
早速ですが、私の悩みはフィアンセの姉妹二人とも五十を過ぎているにも関わらず一度も社会で働いたことなく未だに無職であることです。二人とも親からお小遣いをもらいながら(月に10万)生活し、毎日昼過ぎまで寝て、しかも自分のお母さんに異常なまでに依存しており、お風呂はいるのも寝るのもお母さんと一緒なのです。
本当に異常に聞こえるかとしれませんが、こんな家族が現実にいるのです。そして私はこんな家族のいる家に嫁ぐことが恐ろしくなってきたのです。なぜなら、なんかここの家族は呪われている気がするし、また親が死んだ後は必ず働いている私たちに頼ってこられるような気がしてしまいます。
一生懸命働いて、稼いだお金をどうして怠けている人たちにあげないといけないんでしょうか!?
こんな人たちは人間のクズだと思ってしまう私は心が醜いのでしょうか!?
【中村うさぎの回答】
えーと、べつに心が醜いとは思いませんが、その家族が呪われているとも私は思いません。
豊かな老人たちが多い現代、子どもたちがいい年になっても親にパラサイトしているのは珍しいケースではないでしょう。
働かずにすむのなら、べつにそれはそれでいいと思うのです。
誰もかれもが自立して自分で食べていかなくてはならないわけではありません。
みかさんの苛立ちもわかりますが、そこまで彼女たちを批判することもないんじゃないかな。
だって親が彼女たちを突き放さずに依存させているのは、親たちもそれが心地よいからだと思うのです。
娘たちが自立したり嫁いだりして家を出てしまったら、彼らは孤独になる。
それが怖いから甘やかして独り立ちできないようスポイルしているわけです。
つまり、この親子は共犯にして共依存関係なんです。
でも、それが本人たちの選択なのだから、他人がとやかく言うことでもありません。
ただ、みかさんの不安は「親が死んだら彼女たちは自分たち夫婦に依存してくるのではないか」ということですね。
でも、それはあなたのフィアンセの考え次第だと思います。